野草入りマルファッティは、道端の草とそれを食べた羊のリコッタから作る究極の地産地消料理。
(CIR)6月号はもうすぐ発売予定ですが(8/10頃)、今日は5月号のまだ取り上げていなかった料理の1つ、マルファッティmalfatttiの話です(リチェッタの日本語訳はP.4)。マルファッティはロンバルディアはブレッシャの伝統料理。ブレッシャBrescia。マルファッティmalfatti。ロンバルディアのプリーモ・ピアット。ニョッキの一種です。リコッタとほうれん草の生地で、野草が入るのが特徴。野草...
View Article(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)6月号発売しました。
(CIR)はクレアパッソで発売しているイタリア料理の月刊誌、『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』誌のリチェッタとイタリア食文化の記事を日本語に訳した小冊子です。歴史のある格式高い本格派『クチーナ・イタリアーナ』と、現代的で楽しく気軽だけど、とても野心的な『サーレ・エ・ペペ』と、個性的な2誌。雑誌と合わせての購読をお勧めいたします。(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)は『旧総合...
View Articleパン粉は日本がロシアと戦っていた第二次世界大戦中に、オーブンを使わずに電気でパンを焼いたのがきっかけ。今ではこれが本物のパン粉と言われるようになった。
今日は5月号のリチェッタを訳している時に気になったワードの話。それは、P.6の“野菜のコトレッタ”とP.5の“パッケリ・フリッティ”に登場した食材です。コトレッタとフリットに使われるものです。それは“パン粉”です。パン粉はイタリア語ではpangrattatoですが、少し前あたりから、よく見かけるようになったのが、pankoです。パン粉です。P.5のリチェッタに、もう少し詳しく説明がありました。pan...
View Articleスイスチャードのトルタ・サラータ、エルバッツォーネ。野草の料理と呼ぶにはオシャレすぎる。山から平地の田んぼに出稼ぎに行った娘たちが現物支給された米と山の野...
(CIR6月号)は発送しましたが、到着まで場所によっては時間がかかるので、今日は5月号のリチェッタで気になっていたものの話。まずは、“ベル・パエーゼ”の記事から、エミリア・ロマーニャ州の料理、“スカルパッツォーネScarpazzoneP.25”>ランブルスコの記事で紹介した料理“エルバッツォーネErbazzoneP.46”によく似た料理です。どちらもエミリア・ロマーニャ地方の料理。スイスチャー...
View Articleバジリカータのシンボル、ペペローニ・クルスキの編み棒のフジッリ。
映画『ゴッドファーザー』の、フランシス・フォード・コッポラ監督が、実はシチリア出身じゃなくて、イタリア人も“無名”と呼んじゃうマイナーなバジリカータ出身だった、という事実を知った次は、バジリカータのスペチャリタの話です(CIR/P.21)。バジリカータのスペチャリタ。知られていない地方だけに、本物の純粋な食材の宝庫です。中でも代表的なのは、ペペロー二・クルスキ。食物を保存する時、北イタリアでは、塩漬...
View Articleジェノバのフォカッチャ職人は、フォカッチャはパンではない、と言う。その意味が分かればフォカッチャの秘密が分かるかも。
さてそろそろ(CIR6月号)のリチェッタの話を始めましょうか。1品めは、フォカッチャ・コロラータです(P.2)。前菜やアペリティーボの定番、フォカッチャですが、これはフォカッチャに鮮やかな色をつけて同じ色のトッピングをのせるというアレンジ。ジェノヴァのフォカッチャ。ジェノヴァに行ってフォカッチャを食べない人はいないと思いますが、私のフォカッチャ・ジェノべーゼとの最初の出会いは、ホテルの朝食でした。一...
View Articleフォカッチャ・ジェノベーゼの前身、フガッサ・ビアンカ。
調べれば調べるほど、ジェノバのフォカッチャは、ジェノバのものが一番おいしい、という結論に・・・。ローマ・ピッツァのカリスマ、ガブリエレ・ボンチのイタリア各地のピッツァの本、『ピッツァ・ヒーロー』には、こんなことが書いてありました。「私にとってリグーリアの海岸の女王はフォカッチャfocaccia、いやむしろ水のしぶきとオイル少々、塩の粒数粒を散らしたフガッサ・ビアンカfügassa...
View Articleジェノバだけじゃないフォカッチャ。
フガッサもじっくり見てみると面白いですね。『ストリートフード・アッラ・イタリアーナ』によると、リグーリアには、ヴォルトリからレッコまでのたった40㎞の間に、3種類の違うフォカッチャが存在しているのは有名な話。ヴォルトリのフォカッチャはプリアノ兄弟のパン屋の名物。とうもろこしの粉を散らした小さなパーラーに生地をのせて240℃で15分ほど焼く、かりっとしたフォカッチャ。レッコのフォカッチャは、EUが認め...
View Articleフランスから修道女が伝えたオリーブ、タッジャスカ。
フォカッチャのポイントは、その香りにあり、香ばしいあの香りはリグーリア名物のオリーブオイルから生み出されています。リグーリアは北イタリアの中でも最も南にあり、農業が盛んな地方です。今月の『サーレ・エ・ペペ』にはリグーリアのオイルに関する記事がありました。(CIR)に載せられなかったのですが、それはこんな記事でした。リグーリアで、オリーブは古代ローマ時代以前から栽培されていました。栽培の中心はタッジャ...
View Articleクレオパトラも好きだったドライハイビスカスを散らした赤いフォカッチャを添えた食前酒で、バカンス気分。
さてさて、フォカッチャの予習もバッチリしたところで、今日の料理は今月の(CIR)の前菜1品めです。フォカッチャは朝食にするなら焼き立てを牛乳やカプチーノに浸していただきます。前菜や軽食にするなら、生ハムなど各種のトッピングをのせます。で、食前酒に添えるアペリティーボにするなら、焼き立てをカットしてそのままかじります。フォカッチャとカプチーノ。カプチーノもフォカッチャを添えればリビエラ気分。フォカッチ...
View Article老齢の母親と一人息子の『プランツォ・ディ・フェッラゴスト』、老舗パスタメーカーの秘密を抱えた跡取り息子の話『明日のパスタはアルデンテ』、映画で描かれるイタ...
今日の料理は(CIR6月号)の前菜2品め。“映画のようなラタトゥイユ”です。ラタトゥイユと聞いて、『レミーのおいしいレストラン』が思い浮かぶ人は、ディズニー通ですな。ピクサーが制作した2007年のアニメ映画て゜、そのタイトルが『ラタトゥイユ』でした。ラタトゥイユはご存じの通りプロバンス地方はニースの家庭料理の夏野菜の煮込み料理。ニース風ラタトゥイユ。レミーのラタトゥイユ。フランスのレストランで取材し...
View Article今どきのラタトゥイユはディズニー映画の影響でピクサーバージョンになってました。地中海の野菜料理はアレンジ次第で大きく変わりそう。
きのうの料理、ラタトゥイユで、伝統的な家庭料理と、レストランのモダンジージョンが、最近ではちょっと違う、というこを知りましたが、『クチーナ・イタリアーナ』の新しい連載記事も、地方料理の伝統とモダンの違いがテーマ。最初の料理は“パルミジャーナ”でした(CIR6月号P.12~)。パルミジャーナ。シチリア、エミリア・ロマーニャ、カンパーニアがルーツとして名乗りを上げている料理。それだけイタリア中で愛されて...
View Articleリグーリアとトスカーナのパスタがミックスされたルニジャーナのテスタローリやパニガッチ。どれもペーストがよく合います。
今日の料理は“貝とペーストのストラッチェッティ”。ペースト風味ということは、リグーリア料理、というのはすぐに想像できます。リチェッタを提供したのは、リグーリアのリビエラ・デル・ポネンテにある街、ヴァラッツェの家族経営の料理自慢のホテルのノンナ。ホテルの前はトラットリアを経営してたそうです。家庭料理がベースのリグーリアの伝統料理を出しています。ホテル・アスティジャーナ。思ってたより素敵なホテル。ヴァラ...
View Articleシチリアのごま付きパン、マファルデは、マルゲリータの娘で悲劇の運命に翻弄されたマファルダに捧げられたパン。
今日の料理はイタリア風バーガーです。記事の日本語訳は(CIR6月号)P.20~。考えてみれば、パニーニの伝統のあるイタリアには、バーガーにぴったりの食材があふれていました。最初は、まずごま付きバーガーバンズ。ごま付きパンと言えばシチリアの名物。始めてシチリアに行った時は、ごま付きパンがシチリアの名物だとは知らなかったのですが、初めてシチリアで食べて以来、大ファンになり、忘れられない味になりました。そ...
View Articleマファルダはコッピア・フェッラレーゼで知られるパスタ・ドゥーラのパンでした。ただしフェッラレーゼは軟質小麦粉のパン。
(CIR)のイタリア風バーガーの記事(P.20)から、ごま付きバンズを取り上げました。イタリアではごま付きパンと言えばシチリアのパンで、そのルーツは今はイタリア中に広まったマファルダというパンでした。の成型方法は、かなり独特です。まず生地を棒状にし、くねくね折りたたんだら尻尾をさらに伸ばして生地にの中央にかぶせてあの個性的な形にします。そしたら水少々を塗ってごまを散らし、発酵させて焼きます。スローフ...
View Articleプッチャはパーネ・ディ・アルタムーラとはまた違う南イタリアのパンの美味しさを知ることができるレッチェのパン。
イタリア風バーガーの話。(CIRP.21)トマトとモッツァレラの地中海風バーガーは、パンズはプッチャタイプのパニーニです。プッチャと言えば、プーリアのおいしいパン。レッチェに初めて行った時、レッチェのおいしいものをあれこれ調べていきました。その中に入っていたのがプッチャとピッツィです。名前からして可愛いパンですが、レッチェではかなり人気のパンのようですぐに見つかりました。そして食べてみてその美味しさ...
View Articleパンツェロッティとカルツォーネは南イタリア中にあるそっくりな食べ物。違いはサイズと具。
レッチェのプッチャの話が出たところで、今日は、プーリアのストリートフード、“パンツェロットpanzerotto”の話。生地とリチェッタの日本語訳は(CIR/21年6月号P.15)です。パンツェロッティ。同様の食べ物は南イタリア中にあります。詰め物の定番はトマトとモッツァレラ。パンツェロッティと、違いが全然分からないカルツォーネ。カルツォーネの方が大きい。パンツェロッティは手で持ってかぶりつくストリー...
View Articleブルボン家がユリシーズの伝説の地に残した料理、ティエッラ。お隣のナポリの影響も強く受けたピッツァのようなパイ。
(CIR2021年6月号)から次の地方料理は、“ガエタのティエッラ”。記事(P.25~)にもありますが、イタリアのオリーブオイルが好きなら、この名前でまず思い浮かぶのは、ガエタのオリーブのこと。ティエッラにはこのオリーブが欠かせないので、つまり、何はともあれガエタのオリーブのことは知っとかないと・・・。まず、ガエタというのはどこでしょうか。リグーリアって思いがちですが、違います。ラツィオです。トロイ...
View Articleティエッラが大好きだったシチリア王国のフェルディナンド4世は、これはプリーモやセコンドでなくテルツォ・ピアットにもなると名言を残した。
ラツィオの南端にある海辺の街、ガエタの一番の名物は、ティエッラ。(CIR6月号)の記事でティエッラが名物の店として紹介されていた店の一つが(P.26)、下の動画の店、ピッェリア・デル・ポルトpizzeria del...
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