プーリアのドルチェ、パスティッチョット。南は羊のミルクから作るリコッタが名物。北の牛乳から作るマスカルポーネと比べると、かなり違うチーズ。
(CIR12月号)の記事、“南イタリアのクリスマス料理”。今日はプーリアのドルチェの話です。子ヤギや子羊の料理は南イタリアの得意料理。肉だけじゃなく、チーズも南と北では違います。北は牛乳のチーズが主体ですが、南は羊やヤギのミルクからも作ります。例えば北のドルチェ、ティラミスは、マスカルポーネのドルチェ。マスカルポーネは牛乳のチーズ。自家製マスカルポーネそして南のドルチェの代表として選んだのは、パステ...
View Article南vs北じゃなくて、今時は南vsアルプス、なんですね。
(CIR12月号)の“南イタリアのクリスマス料理”の記事があったのだから、多分、北イタリアのクリスマス料理の記事もあるんだろうなあ、と想像しましたが、今は、南対北なんて、単純でステレオタイプな対比じゃないんですね。今どきは、南対北じゃなくて、南対アルプスでした。今は北とアルプスはほぼ同義語なんですね。北vs南アルプスの人々の団結も強い。あの特徴的な羽根つき帽子にも、その背後にこんなシリアスな思いがあ...
View Articleイタリアンドーナッツ、ボンボローニは、オーストリアから伝わったクラブフェンがルーツ。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)では、イタリアの地方料理を1年を通して解説しています。12月号はもちろんクリスマス料理と北の料理が主役。“アルプスのクリスマスの新しいスタイル”の記事の1品目は、“ほうれん草とリコッタのクラブフェン”。日本語のリチェッタはP.25今日のお題は、クラプフェンkrapfenです。まずすぐ感じるのが、これはイタリア語にはない発音。それもそのはず、クラブフェン...
View Article山の魚、アルプスのサルメリーノ、ホワイトバルサミコ酢
今日の料理は“イワナの根菜とホースラディッシュのソース添え”です。(CIR)の記事は“アルプスのクリスマスの新しいスタイル”(P.25~)です。つまり、アルプスの魚料理です。イワナと訳しましたが、サルメリーノsalmerinoのことです。山の魚、サルメリーノ。山の釣りと言えばサルメリーノフィッシングサルメリーノの料理料理の中で使われていたホワイト・バルサミコ酢とは、こんなバルサミコ酢。エミリア地方出...
View Articleノー・ブロード・ノークリスマス。トルテッリーニ・イン・ブロードはクリスマスの代表的ご馳走パスタ。ビーツのブロードはワインにそっくり。
今日の料理は“ポルチーニのラビオリ、ビーツのブロードがけ”日本語のリチェッタは(CIR12月号P.26)です。玉ねぎのソッフリットに刻んだポルチーニを加えた詰め物のラビオリに、ビーツのブロードをかけた1品です。下の動画はビーツのブロードをかけたトルテッリ。あくまでもイメージの参考動画です。ビーツのブロードはブロードのイメージを柔軟に広げたもの。香味野菜とビーツを弱火で1時間煮て濾したもの。ビーツのダ...
View Articleトルテッリーニは小さければ小さいほどよい。このタイプのパスタの中で、その形は一番愛らしい、とボローニャ人は感じている。
詰め物入りパスタの話が出たところで、今日のお題は、(CIR12月号)の記事“各地のクリスマスの詰め物入りパスタ”です。まずはエミリア地方のトルテッリーニtortellini。ボローニャとトルテッリーニ。ボローニャのパスタの聖地、キッチン付きの生パスタ専門店。イタリアの代表的詰め物パスタ、トルテッリーニ。このパスタはエミリア地方の中心地、ボローニャ料理のシンボル。「1個2gに満たない重さしかなく、それ...
View Articleトルテッリーニは牧畜業が盛んで去勢鶏のブロードのような濃厚なブロードを作ることができたエミリア地方ならではの食べ物。
クリスマスに欠かせない詰め物入りパスタ。北イタリアならではの軟質小麦の利用方法として、軟質小麦粉の産地、北イタリアならではの進化の結果生まれた生パスタ(パスタ・フレスカ)。硬質小麦の産地、南イタリアでは、硬質小麦粉からスパゲッティなどの乾麺(パスタ・セッカ)を生み出し、発展させていきました。軟質小麦のパスタの次は、詰め物の話。エミリア地方の詰め物の主役は牛肉と豚肉。リグーリアでは香草とフレッシュチー...
View Articleこしょうが入っていないフェラーラのパンペパート
(CIR12月号)から、今日のお題はパンペパートです。エミリア・ロマーニャのエレガントなルネサンスの街、フェラーラのクリスマスのドルチェですが、記事の日本語訳はCIR12月号P.34~。ウンブリアなど中央イタリアのクリスマスのドルチェとして有名で、地域によって、リチェッタはやや違う。ウンブリアのパンペパート。ウンブリアに住むスタッフの手作りパンペパートを初めて食べた時は、そのおいしさに感激したが、そ...
View Articleパンペパートの歴史は、スパイスがイタリアに広まる過程を知ることができる。修道女が作りだし、スイスのショコラティエが完成させ、トリノの博覧会で名誉賞まで受賞...
フェラーラのパンペパートの話をしているうちに、かつて、フェラーラというルネサンスの魅力的な街を知り、ある不思議な名物を食べてみたいと、フェラーラを訪れたことを思い出しました。この街は、知れば知るほど面白くて、好きにならずにはいられない街です。フェラーラフェラーラ公の住居となったカステッロ・エステンセ。時が止まったかのような中世の姿がぴったりなフェラーラフェラーラ公は美食家で、食事にも美しさを求めた。...
View Articleサラマ・ダ・スーゴもフェラーラの名物サラミ。やっぱりこれも見栄えがかなり独特で、5世紀の間何も変わっていない。
フェラーラの話をしているうちに、普段はあまり耳にすることのないこの街の魅力がよみがえってきました。フェラーラ料理には、カボチャのカッペッラッチやサラマ・ダ・スーゴなどがあります。フェラーラのカボチャのカッペッラッチは農民の麦わら帽子がモデル。典型的なルネサンスの料理。フェラーラの名物料理。カボチャのラビオリは英語で言うとパンプキン・ラビオリ。サラマ・ダ・スーゴなべ底に触れないようにしてゆでる。作り方...
View Article雄鶏の一生は厳しいけど、去勢鶏の飼育は農家に託された儀式のようなもの。とにかく手をかけて大事に育てられる。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の12月号は、もちろんクリスマス料理の話題であふれています。今日のお題は“去勢鳥です。記事の日本語訳はP.37~。イタリアの料理記事は、イタリア人が普段感じていて、日本人には思いもつかないおもしろいコメントで始まりますが、去勢鶏に対しても、「鶏の一生は大変だ。肉を柔らかくするために去勢もされる。そうすると名前まで変わる。」て言っています。確かに、鶏ga...
View Article去勢鶏はブロードの美味しさもポイント。
イタリアのクリスマスのチキンは去勢鶏。肉を柔らかく、ジューシーで、風味豊かにするために外科的に去勢することは、何世紀も前から行われてきました。攻撃的な雄をおとなしくするためでもありました。伝統的には、復活祭の時期に産み付けられた卵が孵化して生まれた雄鶏を選別して、生後二日で性別を判断し、選別された鶏は、20日後、痛みを与えない方法でカッポ―二(去勢鶏)になる。去勢鶏には肉垂もとさかもないが、華やかで...
View Articleアルプスとアドリア海の中間で生まれるサンダニエーレの生ハムの独特のアロマは、山と潮の香りが作るあげる。
今日のお題は“サンダニエーレの生ハム”です。フリウリの銘産品であり、イタリアが誇る生ハム。地元との強い結びつきによって生まれます。サンダニエーレの生ハムウーディネ県の街、サン・ダニエーレ・デル・フリウリ材料は豚肉と海塩とフリウリの街に絶えず吹き抜ける風。サンダニエーレは、アルプスとアドリア海から等距離離れた街。わずか35㎞qの地区で、厳しい規定を守って、31軒のメーカーが作っている。名前は知っていて...
View Article12月ダービーと言えば、パネット―ネvsバンド―ロ。白熱した戦いになる。
12月ダービー。なんのこだと思いますか?サッカーでよく聞きますが、ダービーマッチは、同一地区の代表チーム同士の試合のこと。イタリアの12月のダービーと言えば、それはドルチェの話。パネットーネvsバンド―ロ。あれこれ言って比べるのも楽しそう。12月になると、必ずパネットーネが好きだ、いやバンド―ロが最高、という白熱した話題が登場します。なぜこんなに対抗意識を持つのか不思議です。シチリア、カターニアのス...
View Articleもう一つの12月ダービーは、モスカート・ダスティvsアスティ・スプマンテ。
12月ダービーのパネットーネvsバンド―ロ。昔ミラノで、ヴェローナ出身の仕事仲間にバンド―ロが一番、と強く教えられて以来、バンド―ロが気になっていますが、その時もすごいライバル意識にちょっと引きました。もう一つあります。それはアスティ・スプマンテvsモスカート・ダスティ。バンド―ロやパネットーネにぴったりのピエモンテの甘口発砲ワインです。リゾット、甲殻類、白肉にも合います。ぶどう品種は、イタリアで一...
View Articleサンダニエーレの生ハムの料理。
ちょっと話は戻って、サンダニエーレの生ハムの話の続き。今日のお題はサンダニエーレの生ハムを使ったリェッタ。(CIR12月号)の日本語リチェッタ(P.43)は“サンダニエーレの生ハムのタリオリーニ”生クリームのソースのタリオリーニ。仕上げに散らしているのはポピーシード。サンダニエーレの生ハムのピッツァ。サンダニエーレの生ハムとアペリティーボサンダニエーレの生ハムは。スライスすると他の生ハムと違い、円形...
View Article『クチーナ・イタリアーナ』をサポートする一流シェフたち
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーリレ12月号)のリチェッタの話です。12月号は、『クチーナ・イタリアーナ』誌に協力しているシェフたちのクリスマスのリチェッタ特集でした。P.6とP.7に、写真と簡単な経歴を載せましたが、いずれもそうそうたるメンバー。今月だけでなく、毎月、様々なリチェッタを提供しています。シェフたちをざっと紹介すると、ミラノのトラサルディ・アッラ・スカラのシェフ、アンドレア...
View Articleドルチェも世界的なパティシエがサポートしています。
『クチーナ・イタリアーナ』誌をサポートする有名シェフたちを紹介していますが、今日は、パティシエの顧問たちです。まずはイタリアパティシエ界の大御所、イジニオ・マッサーリ。彼はブレッシャ(ロンバルディア)出身。彼の店pasticceria...
View Article(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーリ)2023年1月号発売しました。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーリ)2023年1月号発売しました。2023年版のスタートです。定期購読の継続のご連絡もお待ちしています。1月の料理は、家にいたいと思う冬の日にぴったりの懐かしい味の料理。今月は、グルメガイドがパルマとミラノの2か所。どちらもイタリアの美食を代表する街。注目店の住所もあって、イタリアに行く人は必見のリストです。パルマは2015年にユネスコの美食都市に選ばれ、...
View Article大学やジョットの傑作で知られる街、パドヴァ
今日から(CIR2023年1月号)の話です。1月のリチェッタ、1品めは“パドヴァ風サンドイッチ”。日本語のリチェッタは、P.2です。パドヴァはベネト州の街。ベネチアの西、約30分離れた場所にあります。パドヴァは、芸術がイタリアで最初に花開いたと言われる街。パドヴァ大学はイタリアで2番目に古い大学、ヨーロッパ最古の植物園で世界遺産のオルト・ボタニコ、ジョットの最高傑作のフレスコ画など、世界的に有名な見...
View Article甘くて軽いアペロール、苦くて濃厚なカンパリ。
今日のお題はパルマ。そしてパルマ産の世界的知名度があるリキュール、アペロールaperol。アペロール1919年にバルビエリ兄弟が父親から受け継いだリキュール会社で作りだしたビター系のリキュール。兄弟は肺炎の治療のために山に行き、ハーブを収集してパドヴァに戻り、軽くて喉の渇きを癒すリキュールを作りだした。フランスで食前酒(アペリティフ)をアペロール呼ぶことを知り、その名をつけました。そしてアペロールは...
View Articleベネチアを占領したハプスブルグ家のアルコールに弱い兵士のために考え出されたアペロール。諸説あり。
今日のお題は“スプリッツ”です。国際バーテンダー協会の名誉会長、ウンベルト・カゼッリのカクテルの本、『マニュアル・デル・バーマン』によると、スプリッツ・ヴェネチアーノSpritz...
View Articleベネチアではピッツァを探さない。サンドイッチを探します。そのサンドイッチは膨れているのが特徴。
今日のお題は(CIR2023年1月号)の料理、“パドヴァ風サンドイッチ”。ベネチアのサンドイッチ。ツナとオリーブのベネチア風サンドイッチ。材料:サンドイッチ用パン・・6枚缶詰のツナ・・160gフィラデルフィア(クリームチーズ)・・80gブラックオリーブ・・大さじ2~3グリーンオリーブの輪切り・・大さじ2~3マヨネーズa.ツナ、フィラデルフィア、黒オリーブをミキサーにかけ、歯ごたえになるグリーンオリー...
View Articleパドヴァのおいしいものを挟んだホットサンド、パドヴァ風トラメッツィ―ニ。
このところ、“パドヴァ風サンドイッチ”の話をしていますが、パドヴァの話から始まって、ベネチア経由で、サンドイッチにようやくたどり着きました。さて、パドヴァ風サンドイッチの動画を探したのですが、これが見つからない。でも、その秘密は(CIR1月号P.2)のリチェッタにすべて書いてあります。つまり、パドヴァのサンドイッチはホットサンドなんです。パンにマヨネーズを塗って具をのせてはさんだら、外側にもマヨネー...
View Articleハリーズバーのミネストラの主役は、電動カッターではなく人間の速さで刻んだ野菜。ミネストラは野菜の美味しさを引き立てる料理。
(CIR1月号)の料理、今日のお題は、“パスタ・ファジョーリ・エ・コッツェ”。パスタ・エ・ファジョーリは、イタリアの典型的で素朴な伝統的パスタ。どこの地方の料理かと言えば、イタリア各地にある料理ですが、特にインゲン豆のファンが多いヴェネトでしょうか。ヴェネトの庶民料理を初めてレストランで出した店、ハリーズバーの本、『ハリーズバー』は、創業者アリーゴ・チプリアーニの息子、ジュゼッペが書いた本。「この古...
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