スーパータスカンとヴェルディッキオ
今日は久々にワインの話題。ここ最近の「総合解説」のワインの記事は、1978年世界ソムリエコンクール優勝で、イタリアソムリエ協会長、ジュゼッペ・ヴァッカリーニ氏監修の『クチーナ・イタリアーナ』の記事を訳しています。ヴァッカリーニ氏はこんな人。...
View Articleサルデーニャの職人芸パスタとドルチェ
今月の「総合解説」で取り上げた料理書は、『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ2』すでに売り切れの本ですが、あまりの出来良さに、毎年、夏になると勧めたくなります。中古になりますが、注文があれば、頑張って探しますよ。出版されて早々に売り切れて、2011年には絶版になりました。この本の素晴らしさは、なんと言ってもその写真。なので、文章で説明するのがとてももどかしいのです。南イタリアと島の料理を紹介す...
View Articleドロミテの牛乳とパンとハーブのストランゴラプレーティ
今日はストランゴラプレーティの話。トレント地方の料理です。今月の「総合解説」では、この料理の背景を解説しています。ストランゴラプレーティstrangolapretiと、ストロッツァプレーティstrozzapretiは、どちらもよく似た名前の料理ですが、前者はニョッキ、後者はねじって整形するショートパスタで、出来上がりは全く違います。ストロッツァプレーティ。...
View Articleシチリア料理で夏を乗り切る
今日は、夏が暑ければ暑いほど、どの料理も美味しそうに見えるシチリア料理の本、グイド・トンマージ地方料理シリーズの『ラ・クチーナ・シチリアーナ』のリチェッタを訳して、夏バテを解消してみたいと思います。ただし、この本の最大の魅力は、空気感が素晴らしい写真なので、見ただけで涼しくなって食欲が湧いてくる写真をお届けできないのが残念です。オリジナルのアレンジを加えたリチッタから。■ジャスミンのリモナータ/Li...
View Articleサルデーニャの子羊のロースト
今日はメイド・イン・イタリーの食材の一つ、サルデーニャの子羊の話。 冬と夜間以外は野生状態で育てます。 ↓サルデーニャで子羊をローストするというのは儀式のようなものなんだそうです。...
View Articleダ・カイーノのヴァレリア・ピッチーニシェフ
今月の「総合解説」に登場した2店目のシェフは、ダ・カイーノのヴァレリア・ピッチーニシェフです。かなり昔から活躍している女性シェフですよね。個人的に一番印象に残っているのは、インパクトがあるその店名。ダ・カイーノ。たぶん人の名前だろうなあとは思っていたのですが、日本人には覚えやすい名前ですよね。下の動画に最初に登場して店名の由来を語っているのは、ご主人でワイン担当のマウリツィオさん。彼のお父さんのニッ...
View Articleパイヤータのリガトーニ
「総合解説」2016年4月号発売しました。今月の「総合解説」で取り上げた地方料理の1品目は、ローマのパイヤータのリガトーニ。“パイヤータpajata”は、小腸のローマの方言(標準語はpagliataだけど、ローマ方言の名前のほうが一般的じゃないでしょうか)。貧しい食材を美味しい料理に変えるという庶民料理の本質を守りながらも、内臓という最近では食通に人気の食材が主役のこの料理は、グルメな人々の心をがっ...
View Article地方料理のフォカッチャ
今月の「総合解説」、次の地方料理はフォカッチャです。イタリア料理と出会ったばかりの頃は、フォカッチャというと、指でくぼませた穴が特徴の平らなパン、と思っていました。これはフォカッチャ・ジェノヴェーゼ。ピッツァのドウの伸ばし方に似ています。というか、そっくりです。引っ張ったり麺棒で押し潰したりしないので、結果的に指で押したくぼみがたくさんできます。このくぼみは“オンブリサッリ(ombrisalli/へ...
View Article『ピッツァ』から
クレアパッソで販売している本の翻訳をする水曜日。今日は最近入荷したお勧め本、スローフードの『ピッツァ/グランデ・トラディツィオーネ・イタリアーナ』から。エンツォ・コッチャさんの話は度々訳しましたが、彼は上質の食材を使って生地にこだわったピッツァを作って、新しいナポリ・ピッツァの一時代を築いた人です。彼の後に続いてナポリ・ピッツァに大きな影響を与えた人物は、まずはサルヴォ・ファミリー。次男のチーロ・サ...
View Articleフォカッチャのバリエーション
フォカッチャの話の続きです。「総合解説」のフォカッチャの記事を読み返して、フォカッチャには大きく分けて3つのタイプがあることに気が付きました。元々は料理をのせる皿のような役割のパンから、フォカッチャ・ジェノヴェーゼのように皿に特化して皿だけを味わうもの、ピッツァ・シーマのように具を挟むタイプのもの、スフィンチョーネのように具をトッピングするタイプのもの、の3つです。この記事はタイプの違うフォカッチャ...
View Articleフライパンで調理する薄切り肉料理、グラッサーレ
今日のお題はグラッサーレglassare。『クチーナ・イタリアーナ』の“スクオラ・ディ・クチーナ”の記事からです。グラッサーレは料理をグラッサで覆って味を濃くして艶を出す調理方法のここと。フライパンで肉や魚を調理することが少ないイタリア料理では少数派の、フライパンで調理する基本のテクニック。ベースは肉や魚の焼き汁。作り方の過程は、・肉や魚の切り身を下ごしらえする。・焼き汁をデグラッサーレdeglas...
View Articleフィリグラナのパスタ
今月の「総合解説」で一番気になったリチェッタは、“イースターのラザーニャ”の記事の1品目、“ハーブの透かし模様のエビとズッキーニのラザニェッテ”です。ハーブを生地に練り込んだパスタはマルケージが好みそうな、グラン・シェフのアルタ・クチーナのテクニックの一つ。でも、このテクニックを何と呼ぶかはずっと謎でした。このリチェッタ、イタリア語では“Lasagnette con filigrana di...
View Article「総合解説」のレストランとショップ情報
今日はナポリのレストラン、ティンパニ・エ・テンプラの話。この店の名前、かなりインパクトありますよね。「総合解説」を作ってかなりたつのですが、その当初から、この店の名前を訳していたことを記憶しています。今回の記事によると、1987年オープンだそうですよ。もう30年前の話だったんですねー。「総合解説」では、レストランやショップの情報は、なるべく訳すようにしています。私自身、イタリアで食べる店を探す時は、...
View Article入門編でもやけに本格的な本
もうすぐ発売の次号の「総合解説」には『グランディ・クラシチ』のリチェッタの翻訳を載せました。国民的イタリア料理を集めたこの本は、協力がイタリア郵便局です。郷土愛の強いイタリアで、国民的イタリア料理を決めようと思っても、みんな地元の料理が一番、と言うに決まっています。単純な人気投票では、人口の多い大都市が断然有利。そんな時、イタリア全土を網羅している郵便局が投票に協力すれば、田舎の過疎地の声も取り上げ...
View Articleヴェローナ、カーサ・ペルベッリーニ
今月の「総合解説」の二人目のシェフは、ジャンカルロ・ペルベッリーニさん。ヴェローナのカーサ・ペルベッリーニのシェフです。この記事で一番目を引いたのは、1品目の料理名。suschi di maccheroni・・・/マカロニのスシとありました。しかもソースはpesto di alga...
View Articleエトナ山麓の旅、カターニア
今月のグルメ旅はエトナ産の麓。これまでにも度々登場している地方です。近年、注目度がかなり上がっているようです。ビジュアルガイドのまず最初は、訳していて、ごめん何言ってるのかわかんない、状態だったのが、イカ墨のリゾットとリコッタを噴火しているエトナ山の形に盛り付けたripiddu...
View Article春のジェノヴァ料理とスペッツァティーノ
「総合解説」2016年5月号発売しました。5月号の記事なので、春の料理が中心です。イタリア料理は、夏はシチリア、秋はピエモンテ、冬はヴァッレ・ダオスタというイメージがありますが、春はリグーリア、中でもジェノヴァなんですねー。最初の記事、“ジェノヴァのホームパーティー”は、ジェノヴァの伝統料理を取り入れた春のメニュー。それにしても、ラッテ・ブルスコ、フリッシェウ、コンディッジョン、シュメッテと、聞いた...
View Articleパスタのお焼き、トルテッリ・アッラ・ラストラ
訳して以来、気になっていた料理、“石板焼きトルテッリ”。聞いたことのないパスタだったので、動画もないだろうと思っていたら、意外とあって、ちょっと意外。ひょっとして、知らなかったのは私だけ?こんなパスタです。...
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今日のお題はヴィテッロ・トンナート。いや、正確に言うと、トンノ・ヴィテッラート。なんじゃこりゃ、と思いますよね。ヴィテッロ・トンナートのバリエーションの話をする時、イタリア人の心に必ず浮かぶダジャレが、これなんですわ。以前にも訳したことがあるんです。このどーしようもないダジャレ。マグロのソースをかけた子牛肉があるなら、子牛のソースをかけたマグロがあってもいいじゃん、というか、ゴロが面白ければ、味なん...
View Article地方料理のシリーズ本
ニュートンの地方料理シリーズを、久しぶりに更新したら、新シリーズの表紙が料理の写真に変わって、とても賑やかになっていました。クレアパッソのニュートンのページはこちらこのシリーズは、何度もデザインを変更しながら、昔から続いてきました。表紙を頻繁に変える割にはリチェッタは一切手を加えず、頑なに昔のままという、頑固な職人気質のシリーズです。魚料理を集めたディ・マーレ・シリーズの次に売り出したのが、アンティ...
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