香水には欠かせないカラブリアのベルガモット。もちろんあのブランドの香水にも。
復活祭の伝統料理の最後の1品は、カラブリアのネピテッレnepitelleです。リチェッタは今月の「総合解説」P.28。トリエステからカラブリアと、北へ南へと、イタリアの知られざる個性を発見する旅が続きますが、ついてきて~。カラブリアとシチリアを隔てるメッシーナ海峡はわずか3km。ディオールが紹介するカラブリアのベルガモット。高級ブランドの香水には欠かせない。↓ということは、シチリア推しのあのブランド...
View Articleフロッラ生地のカラブリアのビスコッティ、ネピテッレ。まぶたを模したドルチェ。
きのうはちょっと横道にそれましたが、復活祭の伝統料理、最後はカラブリアのネピテッレです。「総合解説」P.28で紹介したリチェッタは、基本的な、南イタリアのディープなドルチェらしい地味なリチェッタでしたが、ネットにはこんなに可愛いのがありました↓カラブリアは田舎なのに都会で、そのギャップが面白いですね。これまで見てきた復活祭のドルチェとは違って、発酵させない生地の甘くて具だくさんのビスコッティ。発酵さ...
View Article冬のパスタ、ひよこ豆とマルタリアーティのズッパ。マルタリアーティは冬のミネストラにぴったり。
今日からはパスタです。今月のパスタは“マルタリアーティmaltagliati”リチェッタは「総合解説」P.34~。軟質小麦粉と卵の基本のパスタ、パスタ・リッシャから作るパスタのバリエーションの1つです。パスタ・リッシャから作るパスタの代表はタリアテッレ。本場はもちろんエミリア・ロマーニャです。ロマーニャ地方を紹介するこちらのページによると、マルタリアーティはタリアテッレを作るときに出る切れ端で、細い...
View Article自然の中で家畜たちと共に過ごし、手を粉と卵まみれにする暮らしは計り知れない喜びだった。ブルーノ・バルビエリシェフの子供時代
マルタリアーティがどの地方のパスタかなんて、考えたことなかったけど、タリアテッレの切り落としがルーツなら、やっぱりエミリア・ロマーニャ地方、という訳で、エミリア・ロマーニャ地方の料理の本を探していたら、紹介するのを忘れて埋もれていた本を見つけました。ボローニャ出身でマスターシェフで有名になった星付きシェフ、ブルーノ・バルビエリシェフの『ブルーノ・バルビエリ/ビア・エミリア』という本です。ブルーノ・バ...
View Articleパッパルデッレはトスカーナのタリアテッレだった。と言うことはトスカーナのマルタリアーティはパッパルデッレの切れ端。
マルタリアーティの料理も珍しいけど、うさぎ肉のラグーって、食べたことないなあ。今月の「総合解説」P.34の料理、“うさぎとアスパラガスのラグーのマルタリアーティ”についての解説です。うさぎ肉のラグーについて調べていたら、カルロ・クラッコシェフが本にこんなこと書いていました。「カルロ・クラッコの地方料理」うさぎ肉はとてもフレッシュな白肉で、様々な料理に使うことができる。イタリアにはうさぎ肉料理の伝統が...
View Article忘れているようだが、人間は猟師だ。狩りの目的は新鮮な肉と暖かい毛皮を手に入れること。だが、料理人にはさらに目指すものがある。
今日のお題はうさぎ肉です。悲しいかな都会で生まれ育ったので、家禽にもジビエにもまったく縁のない暮らしです。うさぎと言われても、うさぎがどんな環境に棲んでいるかも知りません。イグレス・コレッリシェフのジビエの本、『カッチャジョーネ』が唯一の教科書です。ジビエの話をする時は、狩りの様子を見て毎回落ち込むのですが、そのたびに、この本の序文で元気づけられます。ルイジ・クレモナという有名なガストロノミアのジャ...
View Articleラザーニャ生地のバリエーション、ストラッチェッティはぼろきれというひどい名前だけど、ぶきっちょさんでも簡単に作れます。
ジビエの話になりそうでしたが、パスタのマルタリアーティの話をしているんでした。今月の「総合解説」のマルタリアーティの最初のリチェッタは、うさぎとアスパラガスのマルタリアーティP.34。うさぎ肉はかなりマイルドでデリケートな味なので、パスタもタリアテッレの切り落としのような薄くて細めのパスタが合う、ということはわかりました。次の料理はエビとピスタチオペーストのストラッチェッティです。そもそも、マルタリ...
View Articleパスタ同様アラブから伝わったシチリアのピスタチオはペーストの調理方法と出会って世界中に広まった。
今日のお題は“エビとピスタチオ・ペーストのストラッチェッティ”です。キーワードはピスタチオとペースト。イタリアでピスタチオといえば、エトナ山の麓の町、ブロンテです。イタリアのピスタチオの大部分はブロンテで栽培されています。ピスタチオは2年に一度収穫します。その量は世界のピスタチオの総生産量のわずか1%ですが、その色や味は高く評価されています。ブロンテは、ヨーロッパで最も高く、最も活発な活火山、エトナ...
View Articleシチリア名物で作るペースト・トラパネーゼは、思い出も詰まった保存できるお土産。
シチリアにはピスタチオのペースト以外にも、名物ペーストがあります。“ペースト・アッラ・トラパネーゼpesto alla...
View Articleペーストとエビのスパゲッティは、“ペスト・エ・ガンベリ”と略称で呼ばれるほど人気で、実はジェノバではなくシチリアを代表するパスタだった。
シチリアのパスタがたくさん載ってるお勧め本は、シチリア愛が強いシチリアの出版社が、経費を削るためか、小さな本に全部載せようとシチリア料理をギュウギュウに詰め込んだ格安のおもしろいシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズの『シチリア・イン・ターヴォラ』パスタの1品目は、ペーストとエビのスパゲッティ。この料理、略称“ペスト・エ・ガンベリpesto e...
View Article世界が憧れるイタリア料理とワインがある場所、トスカーナ
今日のお題はグルメ旅。今月の旅の目的地は、キアンティChiantiです。キアニーナがフィアスコを引きながらフィレンツェの中心部をパレード。こも被りのあの独特のボトルは、バブルが弾けた頃に消えていったイメージがあるのですが、昔はイタリアワイン(キアンティ)といえばこのワインでした。つる棚の下の庭のテーブルに赤と白のチェックのテーブルクロスがかかっていて、その上にこもかぶりのキアンティとイタリア料理かの...
View Articleキアンティとシエナの争いを解決した方法は、マキャベリズムのわかりやすい実例。
キアンティはイタリアワインの中で、最も世界的知名度が高いワイン。その産地は、アメリカ人に溺愛されました。多分、外国人は殆ど知らないけど、アメリカ人の間ではとても有名なのが、パンツァーノのコンカ・ドーロConca d'Oro Panzano in...
View Article『ルフィーノのトスカーナ』はリチェッタが1つもないトスカーナ料理書の傑作。ルフィーノは何を伝えたかったのか。
キアンティの本を紹介するなら、外せない1冊がありました。『ルフィーノのトスカーナ』です。トスカーナを代表するワイナリー、ルフィーノが、トスカーナやフィレンツェの食文化を美しい写真と深い文章で紹介する、総力をあげて作った傑作です。リチェッタが1つも載っていない料理書を、どうしてルフィーノは出版したのか。ルフィーノはこの本のことを民話集、と形容しています。子どもたちに語り継いでほしかったのでしょうか。議...
View Article1月6日の王冠型のバロックなドルチェ、ブチャラティ。
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。2021年、最初の料理は、ブッチェッラート・シチリアーノbuccellato...
View Articleシチリアのカッサータの特徴は、アラブから伝わったアーモンドで作るマジパンの存在。マジパンを使わないカッサータもある。
シチリアのドルチェの話が出たところで、今日はもう1つ、シチリアのドルチェと見せかけて、実はカンパーニア(ナポリ)のドルチェという、不思議なドルチェ、“カッサータ・インフォルナータcassata...
View Articleカンパーニアから世界中に広まったリキュール、ストレーガ。
きのう紹介したカッサータ・インフォルナータの食材の1つ、ストレーガが、今日のお題です。カンパーニアのベネベント生まれで、世界中のイタリアンレストランで、カンパーニアの人が飲む食後酒として広まったリキュールです。誕生した1860年以来、秘密の製法で作られています。イタリアの最も権威ある文学賞の1つ、ストレーガ賞のスポンサーにもなっています。70種類の野草やスパイスが配合されていて、サフランが入っている...
View Articleリビエラ・ポネンテは、かつては南の人が出稼ぎに行った北の工業地帯から、リッチなシニアが太陽と花を求めてやってくるパラダイス。
今日のお題はリビエラ・ポネンテです。海に囲まれたイタリアの沿岸部は、どこにも素敵な名前がついています。リビエラは、ずばり沿岸という意味ですが、中でもリグーリアの沿岸部は、南フランスのニースから続く、北イタリアから近い高級リゾートとして、沿岸部の中でも独特の魅力をたたえた地域。太陽と花に象徴されるリグーリア。その沿岸部は通称イタリアンリビエラと呼ばれ、北イタリアや北ヨーロッパ人、北米のシニアの憧れの地...
View Articleファリナータは高温の薪の竈で焼くので、ピッツェリアのファリナータが美味しいと言われている。
リビエラ・ポネンテを象徴する料理として選ばれた1品目は、“ファリナータfarinata”です。リチェッタは「総合解説」2019年3/4月号p.49を御覧ください。葉玉ねぎを加えたバリエーションの一種です。ファリナータはリグーリアを代表するストリートフードで、質素な農民料理。アラブの食材ひよこ豆を使って、アラブとの交易が得意なジェノバ人が作り出した人気料理。ジェノバのファリナータの有名店、sciama...
View Articleうさぎのフリット見てたらフライドチキン食べたくなった。昔、農家では鶏とうさぎを一緒に飼っていた。
リビエラ・ポネンテの料理、今日のお題はうさぎ肉です。リチェッタは「総合解説」2019年3/4月号P.49。ウサギ肉はイタリアでは鶏と共に一般的な家禽類。リビエラ・ポネンテでは主に内陸部の農民料理です。特にうさぎの飼育が盛んだった極東地区の街、サンレモの名前を取ったうさぎのサンレモ風は、別名うさぎのリグーリア風とも呼ばれて、リグーリアを代表する料理です。リグーリアならではの食材、タジャスカオリーブと松...
View Articleリグーリア風ピッツァ、サルデナイアはピッツァじゃなくてフオカッチャ。
リビエラ・ポネンテの料理、今日はサンレモ風サルデナイラsardenaira。サルデナイラはいわば、リグーリア風ピッツァ。モッツァレッラはのってないけど、アンチョビとオリーブがのってます。サルデナイアという名前も、サルディーネ(アンチョビのこと)からきています。リグーリアてはピザのことをピッツァじゃなくてサルデナイラと呼ぶのでした。でもむしろ、ピッツァじゃなくてフォカッチャだそうです。フォカッチャ生地...
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