野菜のブロードをとる時、香味野菜の切り落としや皮は、鍋に入れるんじゃなく、buttare(ブッタ―レ)と言う。つまり捨てるということ。
今日のお題は子牛のロースト。子牛肉のローストの特徴は、エレガントな色合い、柔らかい肉、短い調理時間の柔らかくてジューシーな料理。適している部位は、比較的赤身で調理時間の短い部分。イタリア語の分類だとスピナチーノspinacinoやマガテッロmagarelloなど。子牛のロースト。日曜日の鍋ローストArrosto in Pentola della...
View Articleロースト、鍋ロースト、ブラザート、ラルデッラーレ、デグラッサーレ、肉料理の基本用語。北の肉料理に共通しているのは忍耐。
ローストの話、続けます。ローストはイタリア語だとアッロストarrosto。食材に直接熱を伝える調理方法のことです。様々なバリエーションがありますが、表面を焼いた後に、ワインやブロードなどの水分を加えて加熱するローストの場合は、“arrosto...
View Articleフランスの宮廷料理がベースのピエモンテでは、ソースはよく焼いて(ben cotta)よくディグラッサ―タ(ben digrassata)した料理から造った。
さて、今日のお題はヴィテッロ・トンナート。そもそも、子牛料理の話から、入った話題でした。別名、ヴィテル・トンネとも呼ばれる、とてもフランス風だけど、味は正真正銘イタリアの味のピエモンテ料理。この子牛料理の特徴はサルサ・トンナータla salsa...
View Articleベネトのこんがらかるワインたち。アマローネ、ヴァルポリチェッラ、レチョート、リパッソ、ソアーベ。
イタリアの州ごとの食文化を紹介する(CIR)の連載記事、《ベルパエーゼ》ですが、ベネトは次号、4月号で取り上げています。ちなみにもうすぐ発売予定です。この記事は、各州の名物食材、ワイン、料理を紹介する、イタリアで食べ歩きをするにはもってこいのガイドです。ベネトは、とても興味深いワインの産地と紹介されています。世界遺産にもなっているコネッリアーノとバルドッピア―デネのプロセッコ、ソフトでボディーのある...
View Articleベネチアのシンボル、イワシのイン・サオールは時間が経つほど美味しくなるバカーロの定番料理。
(CIR4月号)発売直前ですが、4月号の記事“ベルバエーゼ”に、(日本語訳は~P.28)、4月号はベネトがあるので、今、ちょうどブログはベネトの話題だったので、フェイントで、ベネトの内容を解説します。まず、その州を象徴する料理に選ばれたのは、意外なことに、超庶民派、“イワシのイン・サオール”でした(リチェッタの日本語訳はP.29)。...
View Article(CIR)4月号。生物多様性と羊が注目される春。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2020年4月号、6/1に発売予定です。今月は復活祭の号でしたが、今年は、生物多様性の話題があっちでもこっちでも取り上げられていました。子羊は復活祭のシンボルの一つですが、イタリアは、羊飼いの伝統が受け継がれてきた国。生物多様性への関心も、日本の10倍くらい強い、という印象です。さすがに日本では見たことない移牧の光景。移牧を見てみたいという観光客期分を...
View Articleラビオリの形は2枚の生地で挟んだ詰め物の閉じ方から生まれる。一番シンプルなのは長方形。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2021年4月号のリチェッタ、1品めは、カプリーノのラビオリ、グリーンピースのブロードがけ(リチェッタの日本語訳はP.4)。グリーンピースのブロードの鮮やかな緑に、形が美しいラビオリを浮かべた1品。パスタは小麦粉200gと卵1個の生地に卵黄3個を加えた黄色い生地なのでグリーンピースの緑とよく合います。ブロードはスープのようにたっぷりではなく、クリームの...
View Articleラビオリを造る麺棒は、別名魔法の麺棒と呼ばれている。製造過程は、まるで伝統工芸品みたい。箱根の寄木細工に似ている。
詰め物入りパスタ、pasta ripienaの一番シンプルな形の一つ、半円形。シンプルなだけに、詰め物や生地、ソースで創造力を発揮するシェフが多い詰め物パスタです。北イタリアのお家芸、詰め物入りパスタ。基本は、軟質小麦粉と卵の生地をできるだけ薄く均一に伸ばすこと。半円形の詰め物入りパスタは、南チロル地方の伝統料理として知られています。...
View Articleリジ・エ・ビジはベネチア共和国の領土中に広まったけど、今は世界中のベネチア料理を出すイタリア料理店に広まっているに違いない。
今月のリチェッタ1品めは、“カプリーノのラビオリ、グリーンピースのブロードかけ”(リチェッタはP.4)でした。グリーンピースといえば、さや入りの生のグリーンピースが出回る季節のベネチアの名物料理、リジ・エ・ビジの主役。4月25日のサン・マルコの日に、ベネチアの大公が外国の大使たちを招いた盛大なパーティーで出した料理です。別名大公の料理とも呼ばれる由緒正しい料理。ただし当時のリチェッタは現代とはかなり...
View Article生クリーム(パンナ)は牛乳から作るってこと、普段は忘れてるかも。
今月の(CIR)のもう1つのグリーンピース料理は、ドルチェです。グリーンピースのパンナ・コッタ(リチェッタはP.15)。さやは使いませんが、可愛い新緑色のパンナ・コッタ。下の動画は緑色の食材の代表、ピスタチオのパンナ・コッタ。ピスタチオはかなり薄い緑。グリーンピースは緑がもっと濃いので各種のアレンジが可能です。甘い緑色の食材、グリーンピースはパンナコッタとの相性がいいようで、過去にもグリーンピースの...
View Article復活祭を象徴する食材。卵がこんなに高級品になる日が来るとは・・・。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2021年4月号のリチェッタは、グリーンピースの話から始まりましたが、ここでちょっと初心に戻って、そもそも、4月のイタリア料理の大イベント、復活祭(イースター)の話。今月号の記事は、特定な素材の料理の特集があれこれあります。そもそも、春の訪れを祝う復活祭は、それを象徴する食材が主役になります。その代表が、卵、子羊肉、発酵生地、ハーブなどです。卵は命の復...
View Article一番シンプルなラビオリは、三角形のラビオリ。トルテッリーニも元をたどればこの形。
以前投稿する予定だったブログが、未公開だったことに気が付いたので、ちょっと前のラビオリの話に戻ります。今日のラビオリのは四角いラビオリより、もっと簡単な究極に簡単な形のラビオリの話です。どんな形だと思いますか?答えは三角形。ベースはポー河流域の薄く伸ばした平らなパスタ・リッシャ。これを小さな四角形に切り、詰め物を載せて半分に折る。これだけ。端をギザ刃のカッターで切り落とすとおしゃれ。三角形のラビオリ...
View Articleパスタ・フレスカの基本はパスタ・リッシャ。代表はタリアテッレ。シンプルな平麺だけど、アレンジは無数に加えられた。
今日は(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ、2021年4月号)の記事から、“春のパスタ・フレスカ”(P.44)の話をしようと思っていましたが、三角形のラビオリの話をupするのを忘れていたことが見つかったので、順番が狂ってしまいました。春はパスタ・フレスカの季節、というのは、ハーブと花という、春の訪れを感じさせる食材が、この季節のパスタによく合うところから生まれた発想です。ここでパスタの基本...
View Articleパスタ・リッシャのバリエーション、シンプルな平麺と思いきや、たくさんあります。
手打ちパスタことパスタ・フレスカの教科書のような本、スローフードの“スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズ『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』の“パスタ・リッシャpasata...
View Articleグランシェフのオリジナルパスタは、工場での大量生産には不向きの個人の感性で作るオリジナルパスタ。パスタの世界に革命を起こしました。
さて、何度も言ってますが、(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2021年4月号)の記事、《春のパスタ・フレスカ》です。春は命の復活の季節、その象徴がハーブ。記事の一番最初のパスタは、野草と花を練り込んだパッパルデッレ(P.44)です。記事のサブタイトルに、パスタ・フレスカ・クレアティーバ“Pasta fresca...
View Article黒キャベツのパスタはトマトソースにも負けない深い緑色でした。
パスタ・フレスカの基本形態、パスタ・リッシャpasta liscia。そのアレンジの定番が、色付きパスタ、pasta colorataです。地方のパスタの中には、色付きが定番、というものもあります。エミリア地方は緑のパスタ。ほうれん草やエルベッテで緑にします。(CIR)のリチェッタはP.47。ラザーニャ・ベルデのボロニェーゼLASAGNE VERDI ALLA...
View Articleトスカーナのパスタ・フレスカ、ピチの単数形はピンコだった。
今日のパスタ・フレスカは。トスカーナのピチです。豊かで歴史ある食文化のトスカーナで、唯一、トスカーナ人の関心が薄いとされるイタリア料理が、よりによって国民的料理、パスタ・セッカなんですねー。トスカーナ料理のスター食材、パンの扱いとは雲泥の差。ちなみに、トスカーナの代表的プリーモ・ピアットとして知られているのは、パッパ・アル・ポモドーロ。硬くなったパーネ・トスカーノの料理です。パーネ・トスカーノは塩気...
View Articleマレンマは、イタリアンカウボーイことブッテリが飼育する牛。元は農耕用で、やせた土地でも生きていくワイルドな品種。でも、今はカウボーイが絶滅危惧種。
今日のお題はトスカーナのパスタ・フレスカ、パッパルデッレ。グイド・トンマージのイタリア地方料理シリーズの『トスカーナ』には、トスカーナのパスタ・フレスカのライバルは、アペニン山脈のあちら側。つまり、エミリア・ロマーニャ、もっとはっきり言えば、ボローニャです、とあります。ボローニャのパスタと比べて、トスカーナのパスタは、一般的にもっと素朴で、もっと厚くてもっと幅が広いそうです。トスカーナではタリアテッ...
View Articleボローニャのラグ―のためのタリアテッレ、ローマのバターとパルミジャーノのフェットゥッチーネ、トスカーナのジビエのパッパルデッレ。
今日のお題はパッパルデッレです。スローフードの“スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズのパスタとソースの関係を研究した本、『パスタ・エ・スーギ』によると、パッパルデッレは卵入りの平麺の一種で、中央イタリアの典型的なパスタで、卵入りの麺。主に長時間煮込んだリッチな赤肉や黒肉のラグーと組み合わせます。赤肉は牛、黒肉はジビエです。エミリア地方の平麺、タリアテッレはラグーのために生まれたパスタ、なんて言います。...
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