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Channel: イタリア料理ほんやく三昧
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なすの名前の由来

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なすの話ですが、イタリア語でなすは?
そう、メランザーネですね。
melanzane。
なんでも、原産地であるインドのサンスクリットの言葉、vatignanaが語源で、これがアラビア語のbadnjanになり、アラブから地中海世界に伝わって、スペインではalberengenaになり、フランスではaubergineになり、イタリアではmelanzaneになったのでした。


イタリアに伝わったのは日本よりずっと後。
イタリア語のmelanzaneは、mela insana「狂ったりんご」という言葉に発音が近く、生のなすに含まれるソラニンによる軽い苦みがあることなどから、伝わった当初は大衆からは常に不信感を抱かれました。

ちなみに、なすはなす科なす属の植物ですが、学名はSolanaceae solanumで、どんだけソラニンが怖かったんですかねえ。
同じ属の他の植物、トマトやじゃがいもにもソラニンはあります。

そうそう、英語でなすは?
eggplantエッグプラント。
卵の樹?

Eggplants-9902


なるほど、こう見えていたのか。
 ↓
EGGPLANT ?


なすは一品だけで調理しても美味しいし、組み合わせる相手を選ばず、どんな食材とも相性が良い万能野菜ですよね。

今日のなす料理は、『パルミジャーナ・イン・ビアンコ』。
パルミジャーナは定番なす料理の一つ。

パルミジャーナと言う名前でも、パルマ料理ではありません。
しかも、パルミジャーノ・レッジャーノを使っているからこう呼ばれるわけでもない。
料理名や発祥地についてはあいまいなことしかわかっていない不思議な料理ですが、今では赤いトマトソースの色と、揚げて中はトロリ、外は芳ばしいなす、モッツァレッラなどのフレッシュで濃厚なチーズ、新鮮なバジリコ、の組み合わせが、典型的な地中海料理のイメージとなって広まっています。
 ↓
Parmigiana di melanzane




イン・ビアンコは、白いパルミジャーノという意味。
トマトソースが入りません。
それだけでもかなり印象が変わります。
こんな料理

赤いパルミジャーナより簡単にできますが、見栄えの派手さは今ひとつ。
表面にいかに美しくこんがりと美味しそうな焼き色を付けるかが、この料理のポイントかも。

パルミジャーナは、バリエーションがとても豊富。
なす以外の野菜でも、作ることができるし、ベシャメルを使う、ハムを入れるなど、作る人のアイデア次第で色々な料理に発展しますね。
 

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関連雑誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年7月号、“パルミジャーナ・ビアンコ”のリチェッタを含む“なすの新家庭料理”の記事は、「総合解説」2011年7月号に載っています。

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