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Channel: イタリア料理ほんやく三昧
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チコーリアを育てる

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今日のお題はチコーリア。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。

チコーリアって、野草だと思ってましたが、ちゃんと栽培もしてるんですねー。
しかも、とても栽培しやすくて、ベランダのプランターでも栽培できるとは。

市場で売ってるチコーリア。
 ↓
Cicoria


チコーリア・セルヴァティカ。
目印は薄青色の花。
 ↓



プーリアの付け合わせの定番、空豆とチコーリア。
イメージはチコーリアのお浸し。
 ↓



パネットーネみたいな芳ばしい香りのパーネ・ディ・アルタムーラも美味しそう。

チコーリアは南イタリアの代表的な食材で、記事にも「」イタリアでもっとも馴染みの深いサラダ菜」とありますが、日本では全然おなじみじゃないですねー。
でも、チコーリアからラディッキオやエンダイブ、チコリなど、様々な品種が生まれていきました。

プンタレッレもチコーリア。
 ↓
cicoria


いかにも栄養価に富んでいそうなほろ苦さが特徴の野菜。
でも、栽培物は苦さが軽くなります。

最近では自家菜園でイタリア野菜を栽培する人も多いようですが、いかがですか。

ベランダで野菜を育てる。
基本のプランター作り。
 ↓



レタスとチコーリアの種蒔き。
 ↓



そうそう、記事にもありましたが、種蒔きは下弦の月の時、収穫は上弦の月の時だそうですよ。

月の満ち欠けと植物の関係についてはこちらのページに詳しく書かれています(日本語)。
科学的に実証されているわけではないとありますが、イタリアでは大方信じられていますよね。

ちなみにこちらは8月の月のカレンダー



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関連誌 ;『ヴィエ・デル・グスト』2011年11月号、「チコーリア」の記事の解説は、近日発売予定の「総合解説」2011年11月号に載っています。

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生ハムとメロン

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メロンをいただいたので、生ハムと一緒に食べよーと思いました。
でも、テキトーに盛り付けたらなんだかしょぼくれた生ハムとメロンになっちゃいました。
生ハム代奮発したのに~(涙)。

生ハムとメロンの美しい、美味しそうな盛り付けとは?

定番はメロンのくし切りに生ハムを巻きつける。
でも、生ハムが薄すぎると破れてしまうので以外と難しい。

Prosciutto e melone. Yummy!


ボート形

Barchetta di prosciutto e melone

バスケット

 
Prosciutto e Melone and a tutorial on How to make a Melon Basket


メロンのバラと生ハムのグリッシーニ

 
Rosa di melone e grissini con prosciutto


シンガポールのイタリアンレストランの生ハムとメロン

Da Paolo Ristorante - Prosciutto Crudo e Melone


これは香港のイタリアン。
サンダニエーレの生ハムとメロン。

Prosciutto di San Daniele e melone

色々あるけど、結局はおいしそうな生ハムをドバッと前面に出して盛り付けたものが一番ゴージャスでおいしそう。
生ハムをいかに美しくスライスして盛り付けるか、ですなあ。
生ハムとメロンの生ハムが美しい店は、この料理の主役が何か分ってらっしゃる。


サルメリーアの生ハムの盛り付け

Dalla Salumeria

そもそも、生ハムとメロンの組み合わせは、こちらのブログによると、中世に誕生したそうで、この時代、メロンは冷たくて湿った食べ物とみなされて、健康に悪いと考えられていたそうです。
そこで、熱くて乾いた食べ物である生ハムと組み合わせるようにしたんだとか。
さらにこちらのブログでは、こういう考え方が古代ギリシャから伝わったと分析しています。

グランデ・エンチクロペディア・イッルストラータ・デッラ・ガストロノミア』によると、生ハムは1枚丸ごとを広げて盛り付けるのだそうです。
ワインは辛口、微発砲で軽いアロマのある白。
ランブルスコのセッコやアマービレなど、微発砲で軽い赤もあり、なんだそうです。
今晩もメロンと生ハムで暑さをのりきるぞー。


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新オイル

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今日は新オイルの話。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。

収穫したてのオリーブを搾ったばかりの新鮮なオイルは、“緑の金oro verde”と呼ばれて、特別扱いされます。

olio novello 2006


イタリアでは、完熟前の色が変わり始めた酸度の低いオリーブの実を、10月から11月始めにかけて収穫し、フラントイオと呼ばれる圧搾所で絞ってオイルにします。
こうしてできた新オイルはワインと同様にノヴェッロと呼ばれます。
ノヴェッロは、オリーブの個性が最大限に引き出されているのが特徴で、最上のオイルと考えられています。

なので、この時期は圧搾所巡りをするには最適です。
11月から12月にかけては、フラントイ・アペルティと呼ばれる圧搾所の一般開放も行われるので、オリーブの収穫や圧搾過程を見ようと大勢の観光客が訪れて、オリーブの産地は一年で一番賑わいます。

プーリア州のフラントイオ・アペルティ。




こちらはウンブリア。






まさに搾り立て。
伝統料理を味わう絶好の機会でもありますね。

新オイルの定番のテイスティング方法は、ブルスケッタかパンにオイルをかけて味わう方法。

pan con l'olio


オイルの収穫祭も各地で。
これはウンブリアのお祭り。





ところで、記事にもあったストロッシャって知ってました?
リグーリアのオリーブオイルをたっぷり使ったドルチェです。
ごつごつした姿のドルチェですね。
ストロッシャとは、リグーリアの方言で「割る」、という意味だそうです。
その名の通り、スライスには向いていないドルチェです。
 ↓



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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2011年11月号、ストロッシャのリチッタを含む“新オイル”の記事は「総合解説」2011年11月号に載っています。

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カルボナータ

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今日はカルボナータの話。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。

カルボナータ、ってイタリア料理、知ってる人~?
カルボナーラじゃないですよ。
南米風にカルボナーダと言う人もいます。

こんな料理です。

牛肉の赤ワイン煮込み。
ヴァッレ・ダオスタの伝統料理だそうです。
フランス語のカルボネイドcarbonadeが語源のようです。

そういえば、イタリアの伝統料理でビーフシチューのようながっつり牛肉を使った料理は、あまり見かけないですねえ。
フランス語が語源ということは、フランス人が広めたのか、というと、この場合はそうではないようで、この名前は料理が炭のように黒いところからつけられたんだそうです。

記事によると、かつて、イタリアの庶民が牛肉を食べるのは、主に肉が傷みにくい冬だったんだそうです。
さもなければ、塩漬けにして保存加工した肉を祝日に食べました。
つまり、牛肉は貴重品で、保存させる、というのが大きなポイントでした。

塩漬け、燻製、そしてもう一つ、牛肉を美味しく保存する方法が、フランスから伝わりました。
シヴェcivetです。
スパイス、ハーブ、赤ワインでマリネして煮込む方法です。

ピエモンテの猪や野兎のシヴェが知られています。
これらの料理が広まったのは、ピエモンテの渓谷地方でした。
肉を保存することは山岳地にとっては死活問題なので、地理的にとても近いヴァッレ・ダオスタの渓谷地方にも、この調理方法がすぐに広まったことは、簡単に想像できます。

ヴァッレ・ダオスタはイタリア料理の話題では、登場する機会があまり多くない州です。
でも、真夏の猛暑の時に見ると、スカッとしますねえ。
ヴァッレ・ダオスタ
 ↓



カルボナータ
 ↓



ほんとに普通のビーフシチューですよね。
ワインはピエモンテかヴァッレ・ダオスタのボディーのある赤が最適。
ピエモンテならバルベーラ、ドルチェット、ヴァッレ・ダオスタならドンナツあたり。



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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2011年11月号、“カルボナータ”の記事とリチェッタは「総合解説」2011年11月号に載っています。

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クリンジョネス

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今日はパスタの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

今日のパスタは、サルデーニャの“クリンジョネス”CulingionesまたはCulurgiones。
イタリア料理のリチェッタを訳して○十年ですが、パスタに関しては、ほぼ毎月、新しい発見があります。
底なし沼のようなパスタのバリエーションの豊かさには、ほんと驚きます。

今回のクリンジョネス、作り方は記事でも細かく説明しているのですが、これは口で言っても文字で読んでも多分わからない。
見てください。

パスタの整形は2:45あたりから。
なんだかぎこちなくつまんでいくうちに、あの不思議な形になっちゃった。




別の人でもう一度。




別の角度から・・・。





この方法、文字にしようと頑張ってみたんですが、力尽きました。

詰め物入りパスタはクリスマスのご馳走の定番ですが、このクリンジョネスもそう。
硬質小麦粉の生地に野菜やチーズを詰めます。


次はベルガものカゾンセイ

生地を丸く切って詰め物を載せるのまでは同じですが、成形の仕方一つでまったく別の料理。
人によって出来上がりの形がまるで違うという不思議なパスタ。





色々調べてみましたが、結論として、餃子タイプのイタリアの詰め物パスタは、形のバリエーションが多すぎて(多分、作る人の数だけある)、どれが本物か、見当もつかない!
みんな、最初に教えてくれた人のリチェッタをしっかり守って受け継いでいるうちに、ちょっとずつ自分流のアレンジが加わっていったんでしょうねー。

サルデーニャのクリンジョネス、ベルガモのカゾンセイ、カルニアのチャルツォンズなど、どれも地元以外では知られていないパスタなので、どれが正しいか、という議論にもならずに、今まで受け継がれてきたんだろうなあ。
こういうパスタは動画の数も少ないので、地元で教わる機会があったら、じっくりマスターして、どんどん紹介して欲しいなー。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』“地方料理の詰め物パスタ”の解説とリチェッタは、「総合解説」2011年11月号に載っています。

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『マンマミーア』

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今日は、入荷したての本、『マンマミーアMammaMIa』の話。
この本は、その名の通り、イタリアのマンマの味の料理書です。

意外なことに、イタリアのおふくろの味がテーマの料理書って、あまり多くないんですよね。
しかも、グルマン世界料理書賞を獲得するほど本格的で、見ごたえのある美しい本。

イタリア人にとってのおふくろの味は、どんな料理なのか。
伝統料理=地方料理と家庭料理はどう違うのか。
料理の背景にある家族の記憶とは。
などなど。
イタリア料理を勉強されている人には、お勧めの一冊です。

この本の最初の1品は、「パーネ・フリット」。
レストランでは絶対にお目にかかれない料理ですねー。
そのページには、こう書かれています。

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この料理を作る理由は、少なくとも2つある。
買い物に行く時間がなくて、家にパンと卵しかない時。
それと、母親が、おやつ代わりにこの料理を作ったくれたことを思い出して昔の味が懐かしくなった時だ。

材料/4人分
硬くなったパーネ・カゼレッチョ500g、牛乳250ml、卵3個
イタリアンパセリ1束、00タイプの小麦粉大さじ2、揚げ油、塩、こしょう

パンは皮を取ってスライスし、牛乳にさっと浸す。牛乳が完全に染み込まないようにする。
小麦粉、溶き卵(塩少々、イタリアンパセリのみじん切り、こしょうを加える)の順に両面につけ、たっぷりの熱い油で揚げる。
焼き色が付いたらシートで油をきり、熱いうちに食べる。
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そして、厚さも形も違う黄金色のパーネ・フリットが、素焼きの民芸調の皿の上に、3枚どーんと重ねられた飾り気のない写真。

いわばイタリア風フレンチトースト。


イタリア中のお母さんが作る料理だけあって、動画もたくさんありますが、バリエーションも豊富です。
こちらの動画では卵にチーズも加えて仕上げにパン粉をまぶします。
 ↓



254ページには、可愛い赤ちゃんがケーキサーバーをつかんで椅子の上に立ち、テーブルの上の、太いろうそくが1本立てられたケーキらしきものを睨んでいる写真。
ケーキに向かってばっと広げた左手で何をしようとしているのか、気になります。
こちらのページ

このページには、こんなことが書いてあります。
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ルーカの最初の誕生日には、ホイップクリームのケーキが用意されました。
ところが彼はこれが好きでなかったようで、全部テーブルクロスの上に塗ってしまったのです。
それ以来、我が家では子供の誕生日のケーキは、クロスタータかお米のケーキになりました。
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ドルチェはどれも美味しそうで子供が喜びそう!
お母さんたちの本領発揮です。


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バローロのリゾット

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今日はバローロのリゾットの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

代表的なイタリア料理の一つで、ピエモンテの名物料理としても有名ですが、いざ作るとなると、バローロを料理に使うという、思いのほかもったいない料理で、敷居が高い。

この1杯を前にして、飲まずに鍋に入れるって・・・、無理。

barolo


コロンナータのラルド入りバローロのリゾット
 ↓
Risotto al Barolo con Lardo Colonnato #food #italy



バローロのリゾットは、独特の美しいワインレッド色に仕上げるのがポイント。
この写真の料理はラルドの白さで赤みと米粒の形がぼけてしまっているのが残念。
その点、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事のリゾットは、教科書のような美しい仕上がり。
しかもトッピングは野ウサギのローストと、バローロが最高に活きる組み合わせ。


ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの『ピエモンテ』によると、ピエモンテには、「米は水の中で生まれてワインの中で死ぬ」という言い回しがあるそうです。

ワインレッドのバローロのブロードにひたひたに浸っている粒々のお米を見ると、納得です。

このリゾットは、ブロード少なめな仕上がり。
 ↓




バローロのリゾットのお米は、カルナローリという品種。




澱粉が豊富で硬い長粒米で、リゾットに最適。

カルナローリ米の生産者。
 ↓




ピエモンテに行くなら、トリュフとカルドンと狩猟肉が出回って、ワインとお米とボッリートが美味しい季節だなあ。





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関連誌;“野うさぎのローストとバローロのリゾット”のリチェッタを含む、「狩猟肉」の記事は、「総合解説」2011年11月号に載っています。

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マルビーニ・アイ・トレ・ブローディ

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今日はクレモナ料理の話。
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事の解説です。

クレモナと言うと、ロンバルディア州南部にあって、エミリア=ロマーニャ州に隣接した町。
食文化的には、“バッサ”と呼ばれるポー川流域の平野地方に属します。


クレモナ




バッサ・パダーナ





名物はトッローネとモスタルダ。
料理ではマルビーニが有名なんだそうです。
でも、知名度は低そうですねー。

そもそも、マルビーニって何?
こちらのページによると、クレモナでは人気の祝日に食べる詰め物入りパスタ、なんだそうです。

ただし、単なるラビオリじゃない。
この料理、正確には、マルビーニ・アイ・トレ・ブローディmarubini ai tre brodiと言います。
3種のブロードのマルビーニということ。
ブロードとは、スープのこと。
牛、鶏、豚か煮込み用サラミなど、3種類のスープを別々に取るという、とてつもなく手のかかる料理なんです。

クレモナ出身の俳優、ウーゴ・トニャッツィ(Mrレディー、Mrマダムの主役;動画の右の人)によると、







マルビーニはクレモナのスペチャリタで、子供のころの記憶に残る失われた味の料理だった。
マルビーニを煮るブロードは、去勢鶏、牛テール、ホロホロチョウのガラから取るグラン・ブロードで、暗くて暑い台所で、おばあちゃんや叔母さんが作るような、泥だらけのハンターがくつろいでいる田舎の古いトラットリーアで出すようなブロードだった。
私のクレモナでの子供時代には、この料理が出る日はご機嫌だった。
この料理は流れるような手順が大切なので、台所を母や祖母や叔母や近所のおばさんたちが行ったり来たりしだすと、もう私はテンションが上がったものだ。

どうやら時間だけでなく、人手も必要な、家族総出で作る料理だったようです。
パスタの形はオリジナルは円形ですが(こんな料理)、今では四角、半円、指に巻きつけるなど、なんでもありのようです。
詰め物は、牛、豚、子牛が3種類以上。
作り方は、3種類のブロードを取る、パスタを打つ、詰め物を作る、成形する、ブロードで煮る。
確かに、一人じゃ心が折れますねー。

トルテッリーニ・イン・ブロードと言い、バッサ地方のスープパスタのスープは、傑作が多いですよね。
ハンターがくつろいでいるような田舎のトラットリーアで食べてみたい料理です。



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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』“クレモナ”の記事とマルビーニのリチェッタは「総合解説」2011年11月号に載っています。

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ガンベロ・ロッソの『ストリートフード』

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今日は7月に発売されて、まだホームページに載せていない本から。
ガンベロ・ロッソの『ストリート・フード』です。

ヴァッレ・ダオスタからサルデーニャまで、300軒以上を紹介しています。
イタリアのストリート・フードに絞ったガイドブック。

これは、イタリアに食べ歩きに行く人はもちろん、ショッピングに全財産つぎ込んで、食事は軽く済ませたいけどマクドナルド以外に挑戦したい人も必携の、便利で使える本ですよ。
サイズも小型で軽いので、持ち歩くのにさほど邪魔にはならないです。

ガイドブックや格付け本の分野では、イタリアで絶大な信頼を獲得しているガンベロ・ロッソ社が、イタリア人のために作っているストリートフードのガイドブック。
どんな店が載っているんでしょうか。

出版記念パーティーの様子





いくつかの分野で、特別賞が選ばれています。

まず、年間最優秀パニーノに選ばれたのは、
ローマのロメオ。
牛タンのパストラミにジャルディニエーラ、チャウスーコロのソース、マスタードのジェラートのパニーノ。

店のwebページはこちら

こちらのブログでは写真付きで店を紹介しています。
ストリートフードと言うよりはおしゃれなデリカテッセンな外観ですね。

こちらのブログでは、ストリートフードの出版記念パーティーに出席した人が料理の写真を載せています。
ロメオのパニーノの写真は上から4番目。

イタリア旅行に持ってくガイドブックが増えたなー。



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イタリア映画とスパゲッティ

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今日は、初心に帰って、スパゲッティの話。
といういか、映画の中で、スパゲッティを食べているシーンの話。

まずは、1954年のイタリア映画『Miseria e nobiltà』という映画のとても有名なシーン。



その日の食事にも困るほど貧しいナポリの家族が、山盛りのトマトソースのスパゲッティ(湯気の立ち方がアニメチックでんなー)をふるまわれて、思わず手づかみで貪り喰うシーンやポケットに突っ込むシーンは、イタリア人にとってもかなりショッキングだったようで、イタリア映画史に残る名物シーンになりました。

次は、同じく1954年の『Un americano a Roma』



アメリカかぶれのローマ人が、スパゲッティを見て散々バカにした後で、やっぱり食べちゃうというシーン。
これもイタリア人の心を微妙に刺激したようで、有名なシーンになりました。

スパゲッティをむしゃむしゃ食べるっていうのは、かなり難しい演技が要求されるはず。
どちらもイタリアの国民的な役者さんです。




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キッチングッズ

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初心に戻ってスパゲッティの話の続き。

今日は道具の話。
皆さんは、スパゲッティの水切りは、どんなものを使っていますか?

一番オーソドックスなタイプ
 ↓
SCOLAPASTA


パスタの水切りは、イタリア語ではscolapasta。
画像検索すると、いろんなデザインのものが出てきます。

水切り機能付き鍋の蓋、さらにレードル置きや鍋敷きにもなる便利グッズもあります。
これ、欲しい。
 ↓



それとも、トングでつまむ派?
トングはイタリア語ではpinza。




これも欲しい。
見事なつまみっぷりで、私の好奇心までわしづかみにされました。

あとはタイマーも必要だなあ。
あっ、鍋、鍋。

じゃあこれはどうだ。
タイマー付き鍋、ラゴスティーナの圧力鍋、アクティクック。







おまけの動画。
キッチングッズ店のゴージャスなキッチンでアクティクックの説明をする料理教室の動画。





パスタはトングじゃなくてフォーク2本で鍋から皿へ。
カッコイイ。



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マリア・カラスの料理書

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3年も前にブログで取り上げた本が今頃入荷しました。

マリア・カラスの料理本、『LA DIVINA IN CUCINA』です。
ブログの記事はこちら

右の赤い本です。

DHW Cookbook e La Divina In Cucina



マリア・カラスは、ギリシャ系アメリカ人ですが、ヴェネト出身のイタリア人と結婚し、イタリア人の姑に料理を教わり、付き人もイタリア人でした。
なのでこの料理本も、ちょっとしたイタリア料理集です。
マリア・カラス文化協会秘蔵の彼女の写真もふんだんに使われています。
どれも古い白黒写真ですが、すごく美しくて、あらゆる瞬間が絵になってます。
キッチンに立ってるだけでも、オーラが溢れ出てます。
社交界がよく似合う稀有な人だったんですねえ。
マリア・カラスの写真集としても素晴らしい1冊です。






短期間に30㎏ダイエットしたことでも有名な人だけに、料理に対する情熱は真剣で熱い。
こんなマリア・カラスが大好きだった料理、得意だった料理、世界中の有名シェフが彼女に捧げた料理、あるいは当時流行していた料理を集めた本です。

歌とアリストテレスと料理を愛したマリア・カラス。
オペラと料理を愛する人に、お勧めです。

マリア・カラスのドキュメンタリー(日本語)



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牛乳の自動販売機 km0

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日本のみなさま、台風が暴れていますが、ご無事でしょうか。
今日は久々に、イタリア在住のスタッフからのイタリア便りです。
segnalibroさん、ありがとう。

今回は、住んでいる人ならではの視点で、イタリアのとても魅力的な日常の風景を、レポートしてくれました。
ちょっとはのどかな気分になれるかな。

ブログ初登場なので、まずは簡単な自己紹介から。
ではどうぞ。

イタリア生活初心者です。 F1で有名な北イタリアMonza近くの田舎町で、細々と、でも元気に暮らしてます。

イタリアのスーパーには、様々な種類の牛乳が並んでいます。
日本でおなじみの冷蔵保存のものだけでなく、常温で数カ月保存できるのもの、さらにそれが赤いフタのlatte scrematoと青いフタのlatte intero シリーズに分かれていて、しかもUHTとかMicrofiltrazioneなどの新種?も登場!
何がどう違うのかよくわからないので、なんとなくセール品を選んでいます(笑)。
その他、山羊の牛乳もありますし、日本のものとは若干違うようですが、豆乳もあります。
シチリアの夏には欠かせないというアーモンドミルクもありますよ。
で、牛乳ですが、我が家はたいていここで購入。
牛乳の自動販売機Latte distributoreです。


IMG_20130904_104822-1


イタリアの田舎ではこんな牛乳の自動販売機があり、マイボトルを持参すれば、欲しい分だけ牛乳を買うことが出来ます。
わが町の自販機は左が水(普通の水と炭酸水)、右が牛乳の販売機になっていて、牛乳は近郊の酪農家のおじさんが日祝日以外の毎日、交換に来るシステムになっています。


IMG_20130904_104807


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交換時には、おじさんが家庭用クリーナーでシュッシュとお掃除してくれます。
が、気になる人はやっぱり気になるかなぁ・・・衛生管理。 
私は気にせず愛飲しております。


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ちなみに、水は5セント/1ℓ 牛乳は1ユーロ/1ℓ です。
日本と違って外国に自販機が少ないのは、治安の問題があるから。
イタリアも、もちろん例外ではありません。
この自販機は市役所の敷地内にあり、市が管理していて、しかも数メートル横は交番なのですが、先日、牛乳をくみにいったら、お金を入れるところがまた壊されていました。
私が知るだけでも、これですでに3回目。
がっかりして帰ろうとしたら、本日の牛乳とともに、牧場のおじさん登場!!
市役所には何とかしてくれって何度も言ってるんやけど・・・って、おじさんも小銭ドロボーに半ばあきらめ気味。
うちの町、治安はいい方なんですけどね。
で、私のマイボトルに直接牛乳を入れてくれ、しかも、お金を受け取ってくれませんでした。


IMG_20130906_112046


週末、朝のカフェラテが美味しく飲めたのは、おじさん達のおかげです。
ありがとう。


IMG_20130907_090914


自販機、早く直してもらえるといいなあ。 ここの牛乳でお菓子を作ると美味しい気がするのは、おじさんの優しさが入っているからかも!?


segnalibroさん、カフェラッテ、美味しそう。

インテリアショップでお洒落な牛乳ビンを見るたびに、これ、どうするんだろうと思っていたんですが、牛乳を農家に買いに行く人なら必要ですねー。
マイボトルを持参すれば、ゴミも減るし。
手間はかかるけど、新鮮で美味しいものが手に入って、生産者に対価を適正に払うことができるというのは、素敵な生活だなあ。



おまけ。
ミルクたっぷりめのラテアート。

latte art in progress


ビール瓶スタイルのミルクボトルだって。
紙パックより美味しそう。

Breakfast



次回のおたよりを、楽しみに待ってますよ~。



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イタリアでハラミ

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イタリア便り第2弾。
肉の話です。
絶好調だなあ。
それではどうぞー。

こんにちは。
肉食系のSegnalibroです。
BBQもいいけれど、この夏、私は日本式の焼肉が食べたくなりました。
一番好きな部位はハラミです。
安上がりな舌の持ち主でよかった。
イタリアのお肉屋さんには、見慣れない部位がたくさん並んでいて、かなり戸惑います。
また、お肉も牛、仔牛、豚、鶏(オス、メス)、七面鳥、羊、ウサギなどなど、かなりバラエティ豊かです。

macelleria (2)


この写真大丈夫でしょうか?
ウサギさん、大好きです。
有難く命頂いてます。
おいしいです。

macelleria


この肉屋さんのグリル、めちゃうまなんです。いつもお客さんが絶えません。

macelleria (4)



macelleria (5)


さて、お肉屋さんにハラミ、あったかな?
いや、日本の焼肉屋さんで出てくる最終形のハラミしか知らないから、売り場に並んでいても、気がついていないのかも・・・。
で、イタリア語でハラミって何て言うの?
紆余曲折を経て、ようやく念願のハラミ、入手できました!!

harami

売り場に並ばない部位を熱烈に欲しがる私に、肉屋のおっちゃんは、 『ワシの息子は小さい頃、腎臓が悪かったもんで、馬のハラミを食べさせたんじゃよ・・・』 と、感慨深げ。
食べ方を聞くとai ferri、日本語で言うと鉄板焼き?
フライパンにオリーブオイルをひいて、焼きながら少々塩を振って出来上がりだそうです。
シンプルでおいしそう。
私が分けてもらったのは仔牛のハラミです。
イタリア語で単刀直入に『横隔膜diaframma』で通じましたー。


harami (2)


解体日にお願いすれば、お取り置きしてもらえるとのこと。
こんなにおいしいのに、めちゃくちゃ安い。
キロ1ユーロ弱。
一人前で約30円です。
やったね!!
いいもの見つけちゃいました。

が、あまりにも申し訳なさ過ぎて、単品では頼めません。

何か抱き合わせ商品考えなきゃ。
日本の焼肉屋さんでは、サンカクとかミスジとかクラシタノハネ(関西限定の言い方?)とかエラそうに注文していたけれど、その部分がどこかなんて、ちゃんと説明できません。
そもそも日本とイタリアでは、肉の部位の分け方は同じなのかな、いや違ってそうだな。

数年前のクリスマス、サルディーニャの義両親宅に行ったのですが、ガレージに牛が半頭吊るされているのを見て腰を抜かしそうになりました。
飼っている牛を毎年冬につぶして、翌1年分のお肉にするのだそうです。
ざっくり切り取られたお肉をひたすらミンチにする作業のお手伝いをしましたが、半分解体された牛君に近付く勇気はありませんでした。

さて、どうしよう。
もう少し涼しくなったら、ブロードにすると美味しいcappello del prete(牛の前肩辺り?の筋肉が多い部分)と一緒に、ハラミをお願いしようかな。
何かいいアイデアがあれば教えてくださーい。


Grazie Segnalibroさん。

とは言え、何この肉、肉テロ。
子牛のハラミがキロ1ユーロ ?
今日のレートで133円?
子牛のハラミなんて、生まれてから一度も見たことないわさ。
何あのグリル。
家の近所にあったら毎日通うレベルだよ。
ったくもー、肉に関しては、日本の状況はあまりにも悲惨。
私なんか、今日の晩御飯は焼き鳥2本(ももと手羽つくね)で約350円ですよー。
くやしくて、涙がにじんできた。
いいもん、明日はお刺身食べるもん。

では、次のイタリア便りを楽しみに待ってます。
じゃあな~。


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イセエビと罪悪感

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今日はイセエビの話。

先日、『サーレ・エ・ぺぺ』の“イセエビのベッラヴィスタ”という料理を翻訳しました。

丸ごとのイセエビの真っ赤な殻の上に、輪切りにしたイセエビの身が並び、さらにその上にトリュフのスライスがのったゴージャスな一品です。
でも、豪華な見た目の割に、作るのは簡単で、イセエビよりも付け合せのほうが手間がかかる料理です。

でイセエビはどう料理するかと言うと、クールブイヨンでゆでて殻から出し、輪切りにする。
たったそれだけなんです。本でも、この料理は簡単ですと言ってます。

ただし、un piccolo problemaがあるんだそうです。
ちょっとした問題?

どんな問題かというと、
イセエビは活きているのを買って、自らの手で、生贄にしなくてはならないのです。

生贄って、ちょっと大げさじゃない、と思いそうですが、原文は、sacrificata con le nostre maniですから、原文直訳です。

さらに、
これは動物愛護家なら抗議行動を起こす忌まわしい残虐ざだが、食通にとっては大したことではない。
なんて、めんどくさい説明が、本気で続きます。

オマールをゆでる時も、だいたいこんな往生際の悪い説明が付け加えられます。
スペースがもったいないので、翻訳文では、ばっさりカットしました。
甲殻類をゆでるのに、どんだけ罪悪感持ってるんでしょうねえ。
西洋の人は、活イセエビをゆでる時は、なるべく残酷にならないように、一瞬で天国に召されるように、とても気を使っているようです。

こちらのページによると、よせばいいのに、イセエビはゆでられるときに苦しむのか、という研究をした人がいて、しかもヤドカリや蟹などの甲殻類も哺乳類と同じように苦しむ、なんて言ってます。

こちらには、オマールは熱湯に入れると叫ぶという人がいる、なんて書いてあります。

記事によると、昔の料理人はこんな疑問は持たなかったので、貴族の晩餐会には、イセエビが頻繁に登場したんだそうです。


案外かわいい?

 
Aragosta


イセエビのバヴェッテ

Bavette e aragosta


イセエビ三昧

Pranzo a base di Aragosta! - 2

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関連誌;“イセエビのベッラヴィスタ”の記事とリチェッタは、総合解説2011年12月号に載っています。

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トレンティングラナ

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今日はチーズの話。

翻訳中に、“trentingrana”という材料名を見かけました。
トレンティングラナ。

リチェッタの中に、この名前が登場したのは初めてです。
チーズの名前です。
管理組合のhpはこちら

こんなチーズ
 ↓





外見は、パルミジャーノ・レッジャーノやグラナ・パダーノとそっくりですねー。
19世紀末頃から共同組合による生産が始まって、1973年に管理組合設立。
その名の通り、トレント県で生産されているチーズです。
DOP製品ですが、日本での知名度は、全然高くないですよね。

世間では、グラナ・パダーノのトレント版といった認識のようです。

グラナ・パダーノとトレンティングラナの一番の違いは、前者が平野で、後者が山地で作られているということ。

これは、パルマの生ハムとサン・ダニエーレの生ハムの関係にも似ていますねー。
両者はちょっと見はよく似ているのですが、味は違います。

山の保存食は、平野より甘いんです。
生ハムだけでなく、このチーズも甘いんだそうです。

パルミジャーノとグラナ・パダーノを使い分ける人は多いと思いますが、そこにさらに、トレンティングラナという選択肢も加わったわけです。

確か、このチーズが使われていたリチェッタはブッシュ・ド・ノエルの一種だったかなあ。

製造過程
 ↓




外見だけでなく、作り方も品質管理の方法もグラナ・パダーノそっくりです。

実はレトレンティーノとフリウリは、密かにマイブーム中なんですが、これで、山に行きたい理由がまた一つ増えたなあ。



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カピトーネ

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今日はウナギの話です。

Eel (Anguilla)

ウナギは以前にもブログで取り上げたことがあります。
こちら

その時も書きましたが、日本では夏の暑い時期に食べるイメージのウナギですが、イタリアでは地方料理のクリスマス料理の食材として知られています。

イタリアンなウナギ料理。
ウナギとポレンタ。
 ↓
Anguila con Polenta



イタリア語では、うなぎはanguilla(アングイッラ)ですが、capitone(カピトーネ)とも言います。
クリスマスに食べるのは、主にcapitone(カピトーネ)。

アングイッラとカピトーネは、どう違うのか。

辞書で調べると、多分たいていは、anguillaはウナギで、capitoneはメスの大うなぎ、と出ています。
でも、正確には、どちらも学名はanguilla anguillaという生物、つまり、どちらもヨーロッパウナギのことなんですねえ。

はあ、ウナギって、本当にミステリアスな魚だなあ。

ウナギは回遊魚だってことは、知ってますよね。
成長の過程で、外見が変わり、それに伴ってイタリアでは、名前が変わるんです。
それでだけでなく、ウナギは性別まで変わるんだそうです。
性別が変わるのは、年齢によるのではなく、大きさによるのだそうです。
そしてウナギの大きさは、年齢よりも環境に作用されるそうです。

だから、カピトーネがメスの大きなウナギだというのは、逆に言えば、オスの大きなウナギはいないから、当然と言えば当然なんですねえ。

イタリアの人のこだわりはすごい。
活きてるウナギを買って、自分で捌きます。
 ↓







日本のウナギは、一匹200~250gだそうですが、カピトーネは400~500gだそうです。

ヨーロッパウナギの産卵場所として唯一発見されているのは、サルガッソ海。
地球上にそんな名前の海が存在することさえ知りませんでしたが、ここは多くの船が沈没する舟の墓場、なんだそうです。
ひえ~。


サルガッソ海でウナギの放流。
 ↓



実は、ニホンウナギだけでなく、ヨーロッパウナギも、今や絶滅の危機に瀕しています。
絶滅危惧種です。
レッドデータにも載っています。
稚魚が見つからないんだって。
将来、ウナギのクリスマス料理が姿を消さないように、イタリアでもウナギの養殖が行われていますが、まだ完全養殖には成功していないそうです。
今も減少の一途。

ナポリの露店のクリスマスのウナギ屋さんの姿も、昔話になってしまうかも。
 ↓






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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年12月号、“ヨーロッパウナギ”の記事の解説は、間もなく発売予定の「総合解説」2011年12月号に載っています。

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クリスマスのディナー

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唐突ですが、今日はクリスマスの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。

クリスマスパーティーの意味って、考えたことありますか?
なぜ、ツリーを飾ってご馳走を食べるのか?


まあ、キリストのお誕生会?ぐらいのことは想像しますよねー。
盛大なお祝いだから、キリスト教徒じゃないけど、ついでにちょっと便乗しちゃいましょー、とか。
でも、そんないい加減な考えが恥ずかしくなるような深い意味が、クリスマスのご馳走の裏にはあったんです。

だから、私、キリスト教徒じゃないから、別にいいや?

いやいや、クリスマスを祝う習慣は、元々は、キリスト教徒の習慣じゃなかったんですよ。

古代ローマ時代の異教の祭りが元なんだそうです。
太陽の祭り、だって。

それは、すべての人が愛を与え、そして受けるべきことを感じることができる思いやりにあふれた大切な祭りだったんだそうです。
そのために家を飾り、贈り物を交換し、料理を作ったんだそうです。
これらには、私はここにいて、あなたのためにこうするのです、と告げる意味があったんだって。

キリスト教徒、なとん心が広いんじゃー。
仏教徒だからと言うのを理由に、かたくなにクリスマスのお祭り騒ぎを拒否していた私、人間ちっさー。

伝統料理を一緒に味わうというのは、特別な瞬間なんですねー。
だからテーブルセッティングも特別なものにするんです。

ヴァルテッリーナのある家族のクリスマスディナー。
 ↓
01_012 101
01_012 101 / jhonnyilbello



1999年のクリスマスの季節が舞台のフランス映画の予告編。邦題は『ブッシュ・ド・ノエル』、イタリア語の題は『プランゾ・ディ・ナターレ』。
 ↓





そういえば、なぜブッシュ・ド・ノエルがクリスマスのケーキなのか、その理由も深いんです。
その話は次回に。



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関連誌;“クリスマス料理”の記事は、近日発売予定の「総合解説」2011年12月号に載っています。

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ブッシュ・ド・ノエル

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今日はブッシュ・ド・ノエルの話。
この、フランスの薪の形をしたクリスマスケーキの由来については諸説あるようですが、今回は『サーレ・エ・ペペ』の説をちょっとご紹介。


Bûche de NoëlBûche de Noël / bgreenlee



記事によると、このケーキのそもそものルーツは、13世紀以降にヨーロッパに広まった古い伝統で、異教の冬至の儀式がルーツなんだそうです。
この異教の冬至の祭りこそがクリスマスのルーツ、とも言われています。

冬至は、一年で最も昼が短くて夜が長い日ですよねー。
クリスマスの祝日の間、古い切り株を家の暖炉で燃やすことで、キリスト生誕で世界に光がもたらされたことを象徴しているんだそうです。

一年で一番夜が長い日、ということは一番暗い時間が長い日。
というわけで、長い夜の間ずっと燃え続けている長い薪が必要です。
この薪に火を灯すのは、家の中で一番偉い人、つまりお父さんが行う大切な儀式だったんですねー。
ところが、このファンタジーな習慣を、無残にも踏みにじる事件が。
電気の発明です。

19世紀末には電気が普及して、この薪の儀式は、意味がぐーんと薄れました。

結局、冬至の夜を照らした光は、こんな形で生き残りました。
センターピースです。

Christmas Centerpiece at WR
Christmas Centerpiece at WR / vastateparksstaff


テーブルの中央に置いてある飾り。
その中のローソクには、意味があったんですねー。
さらに、これがヒントになって生まれたケーキがブシュ・ド・ノエルなんだとか。

クリスマスのテーブルセッティング
 ↓ 



キリスト教徒じゃないけど、冬至の儀式だと思えば、ケーキやチキン食べてもいいか。
ちなみに今年2013年の冬至は12月22日。
カボチャ食べる人いるかなー。






これはいわゆるキャンドルサービス?
超かわいい~♪




まだ10月だけど、毎日暑いし。
クリスマスまでに寒くなるのかなあ。


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関連雑誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2011年12月号、ブッシュ・ド・ノエルの解説がある“ロールケーキ”の記事は、まもなく発売の「総合解説」2011年12月号に載っています。

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ロールケーキ

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ブッシュ・ド・ノエルは、イタリア語で言う、トロンケット・ディ・ナターレ。
Tronchetto di Natale。
由来を知って、薪に似ている形が正統派なんだなあと、改めて納得。

Tronchetto di Natale


表面を覆って樹皮に仕立てるクリームはガナッシュ、中はビスキュイ。
ビスキュイは、イタリア語ではパン・ビスコットpan biscotto。

こちらの動画では、中に詰めるクリームは、ホイップクリーム、マスカルポーネ、ヌテッラ。




ブッシュ・ド・ノエルはロールケーキの一種ですが、ロールケーキって、イタリア語では、なんて言うんでしょう。

ロートロrotoloかな。

Rotolo di pan di spagna a basso IG


ヌテッラは、イタリアのロールケーキの詰め物の定番なんですねー。
ロートロ・アッラ・ヌテッラ。
 ↓




お母さんの手作りおやつ感がいいなあ。


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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』、“ロールケーキ”の記事とリチェッタは、「総合解説」2011年12月号に載っています。

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