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Channel: イタリア料理ほんやく三昧
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ジャッロ・ザッフェラーノのアサリのスパゲッティ

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今日は『ジャッロ・ザッフェラーノ』から、リチェッタを一つどうぞ。
スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレ。
動画の再生回数も多い人気の料理のようです。





本では、どのリチェッタも、まず、その料理に対するソニアの個人的な思い入れを語ることから始まります。
動画では語られていないことです。

「アサリのスパゲッティは、私にとっては我が家の料理の一つでした。
家族がカラブリアに住んでいた時に、私の父が、子供たちのために作った料理です。
この料理の濃くてクリーミーで完璧なソースを作るには、秘密がありました。
でも、父はそれを私には教えてくれませんでした。
何度やっても、私には父のようにできません。
父のソースはとても香りが強いので、家の外で目を閉じていても、香りをたどれば家に着くほどでした。
クリスマスには(アサリのスパゲッティは肉を食べないイブの定番料理の一つ)、両親、子供たち、知人が大勢集まって、父の鍋を囲み、美味しさの秘密を探り合ったものでした」

残念ながら父親の秘伝のレシピは謎のままですが、ソニアが、美味しいアサリのスパゲッティに何を求めているかは、よーくわかりますね。

そして材料と作り方の説明があります。

動画を見てもわかりますが、彼女のソースの作り方は、かなり独特です。
きっと、父親の味を再現するために、持ち前の几帳面さで試行錯誤を繰り返してこのリチェッタにたどり着いたんでしょう。
この過程、動画ではテキパキさっさと進みますが、本では丁寧に解説しています。
本を読んで動画を見ると、完璧に理解できますよ。

リチェッタの最後に、やや専門的なアドバイスがあります。
この料理の場合はアサリの品種についてです。
外来種より風味が強いヴェラーチェ(国産種)を使うように勧めています。
アジア産の外来種ではなく、国産種を使うと地中海の味になるそうです。
ちなみに、この2つの品種の見分け方は、管がぱっくり根元から2つに分れているのがヴェラーチェで、くっついているのが外来種です。
残念ながら私は日本では、まだ発見したことはありません。


ソニア・ペロナーチ著『ジャッロ・ザッフェラーノ


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イタリアの料理男子

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今日は、イタリアの男の料理事情について。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

イタリア男性は、家庭で料理をするのか?

そりゃするよねえ。

じゃあ、料理教室に通うのか。

記事によると、80年代には、家で料理をする男性は28%。
それが今では43%だって。
大手料理教室コングストでは(webページはこちら)生徒の40%が男性だって。
ほお、こりゃすごい。

ただし、料理教室に通う動機というのが、「友人と食事を楽しんで女性と親しくなるため」、と訳しときましたが、実は、女性と親しくなるというより、女性にもてたい、という下心があると、包み隠さず分析してました。

とにかくこの記事は面白かったですねえ。
まず、料理教室に通う男性の人物像は、30~55歳の一人暮らしの独身者。
これは、現在イタリアの市場で増加中の購買者層なんだって。
で、料理教師に通う独身男性のことを、女性に頼らずに美味しいものを食べたい人、という、ちょっとさびしい分析。
スーパーでも一人前サイズの商品が多くなり、調理器具メーカーも一食サイズの電子レンジ用容器なんかを次々と開発しているんだそうです。
つまり、日本ならぼっちと呼ばれちゃう人たちが、イタリアでも増殖してるってことですね。

さらにスゴイのは、家庭の父親が料理教室に通う動機。
父親が子供のために料理を習うんだって。
これって日本でもそうなんですか?

さらに、妻を助けるため、という立派な動機も。
共働きの妻が家事や育児に費やす時間を考えると、自分も何かしなくてはと思い、料理を習うことにした、なんて。

こちらのページによると、ゾニングループの副社長フランチェスコ・ゾニン氏やオイルメーカーのカルロ・カルリ氏は、友人を招いてのホームパーティーの時には市場まで出向いてうさぎ肉や放し飼い鶏を買って、自分で調理するそうです。
こういうセレブたちが料理をする姿ってカッコイイですよねえ。
でも、中途半端なものは出せないだろうなあ。

フランチェスコ・ゾニン氏の料理
 ↓




こりゃモテルなあ。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年9月号、“イタリアの男の料理事情”の記事の訳は「総合解説」2011年9月号に載っています。

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料理教室ドルチェ・エ・サラート

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今日は料理教室つながりで、カンパーニアの料理教室の話。
『ア・ターヴォラ』の解説です。

記事は、ロカンダ・デッレ・トラーメというカゼルタのホテル・レストランの総料理長、ジュゼッペ・ダッディオ氏を紹介する内容なのですが、このシェフが、1998年に、仲間と共同で、ドルチェ・エ・サラートという料理教室を始めました。

ロカンダ・デッレ・トラーメのwebページはこちら
全部で10室のホテルです。

オーストリア資本のスーパーチェーン、ビッラのCMに出演しているシェフ。
 ↓




ドルチェ・エ・サラートのwebページはこちら
プロ向けとアマチュア向けのコースがあるんですね。
プロ向けのコースに、ピッツァコースやジェラテリーアコースがある一方で、寿司と日本料理コースなんてのがありますよー。
もちろんカンパーニア料理のクラスも充実してます。

ドルチェ・エ・サラートのPV
 ↓



ここは、イタリアの料理学校のモデルケースとしてイタリア中に知られているそうです。
アメリカのカレッジスタイルが特徴。

さらに、彼の本、『Ricet'iss』は、2009年のグルマン世界料理書アワードで、ベスト・シェフ・ブックを受賞。
もこみちくんの本が獲った、あの賞の一つですね。

記事のリチェッタを見る限り、彼の料理はとてもオーソドックスですが、仕上がりはなかなか派手で、見た目のインパクトはありますねえ。
カンパーニア発信の料理を学んだ人たちが世に出ていくのが楽しみですね。


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関連誌;『ア・ターヴォラ』2011年9月号、“ジュゼッペ・ダッディオ”の記事とリチェッタは「総合解説」2011年9月号に載っています。

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マルメッラータ

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今日はジャムの話。
『サーレ・エ・ぺぺ』と『ア・ターヴォラ』の解説です。

さて、ジャムはイタリア語では?

辞書で調べると、confetturaとか、marmellataという言葉が出てくるはず。
マルメッラータが比較的身近かな。

で、マルメッラータは、実はポルトガル語のmarmeladaが語源なんだそうです。
marmeladaとは、マルメロのジャムのこと。

マルメロの実。
 ↓
Cydonia oblonga (Rosaceae)


マルメロは、イタリア語ではmela cotogna。
マルメロの極甘ジャム、コトニャータは、南イタリアではお馴染みで、プーリアの町、レッチェの名物。
マルメロのシャムがジャムの語源ですが、なぜかイタリアでは、マルメロのジャムだけマルメッラータではなく、コトニャータと呼びます。
硬くてまずく、生食はできないと言われているマルメロが、唯一主役となって活躍するのはジャム。

コトニャータは、昭和な味と外見。
 ↓
fatta in casa



さらに、EU諸国では規定があって、マルメッラータは、柑橘果実のジャムのみの名称で、それ以外は、イタリアではコンフェットゥーラconfetturaと呼びます。


イタリアの柑橘果実なら、地中海のオレンジやレモンですねー。
オレンジのマルメッラータ
 ↓



レモンのマルメッラータ
 ↓




ジャム作りに必要な材料は、柑橘果実と砂糖です。

ジャム作りは、古代ギリシャではすでに行われていました。
でも、熱帯の植物サトウキビは、まだ地中海にはありませんでした。

砂糖はオリエントから多少は輸入されていましたが、アラブ人やイタリアの海洋国家によってヨーロッパに流通しだしたのは、7世紀頃。
栽培が広まったのは十字軍以降、つまり12世紀以降です。
だから砂糖は超貴重品で、とても高価。
ジャムのためにどばどば使えるものではありません。
あっ、そもそも、オレンジやレモンがヨーロッパに伝わったのは、10世紀にアラブ人がやってきてからだし。

新大陸の発見によってサトウキビの産地の植民地化が始まると、砂糖の値段は下がりましたが、それでも需要には追いつかず、しかも、戦争になると砂糖の供給路が絶たれるなど、相変わらず貴族のための貴重品でした。
ヨーロッパでも栽培できるビートから砂糖を作るようになったのは、16世紀。
砂糖が大量消費できるほど身近になったのは、18世紀になってからです。
コーヒーに砂糖を入れるようになったのもこの頃から。

砂糖以外の甘いものとしてヨーロッパで知られていたのは、果物と蜂蜜です。
果物を煮詰めると糖分が濃縮されて甘~くなります。
さらに皮に含まれるペクチンの作用で、凝固します。
ジャムは、砂糖がない時代だからこそ、生まれたものなのかも。
あ、砂糖には甘み以外に、もう一つ重要な働きがありました。
保存ですねー。

砂糖の代用品ともいえるのが蜂蜜ですが、なんと、昔は蜂蜜も高価でした。
そこで、蜂蜜以外にも、次第に甘口ワイン、パッシートやモスト・コットも加えるようになりまた。
結局、ジャムは高級品だったんです。

チェリージャム作り
 ↓
Marmellata



お高いジャムが食べたくなりました。

パリのボン・マルシェのジャム売り場。
 ↓
Jams and Jelly - Au Bon Marche - Paris



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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』、『ア・ターヴォラ』2011年9月号、“フルーツの伝統的コンセルヴァ”、“ジャムとゼリー”のリチェッタは、「総合解説」2011年9月号に載っています。

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野うさぎ

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今日は狩猟肉の話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

その記事は、野うさぎのソースのパッパルデッレの話でした。

ヨーロッパ野うさぎ
 ↓
Simpatici amici delle campagne: Lepre europea - Lepus europaeus (Dorno, Lomellina, Provincia di Pavia)


野うさぎのソースのパッパルデッレ。
 ↓
Pappardelle al sugo di Lepre


トスカーナの代表的な料理の一つです。

でも実は、野うさぎ料理のリチェッタなんて、日本で知りたがる人いるんだろうか・・・、と、少々懐疑的になっていました。

野うさぎに限らず、狩猟肉料理って、日本のイタリアンでは、どれくらいの浸透度なんでしょうか。
フランス料理の世界では、ジビエという言葉が広く受け入れられていることを考えても、欠かせない食材という気がするのですが、イタリアンはなあ。

でも、記事によると、トスカーナ料理は狩猟肉が大きな役割を占めるとのことなので、トスカーナ料理をやる人は、狩猟肉のことも知っておかなくちゃねー。

ところが、こんなことを考えていたら、偶然にも、野うさぎを狩りでしとめるシーンから始まる日本のコミックに遭遇。
ビックリです。

なんと、マンション住まいの漫画家さんが、鴨や猪を自らの手で獲って、さばいて、食べている暮らしを描いたリアル猟師漫画があるじゃあないですか。
前に紹介したリアル農民エッセイ(百姓貴族)といい、日本のマンガ家さん、恐るべし・・・。

岡本健太郎著、『山賊ダイアリー』
講談社の雑誌『イブニング』で連載中。

実写版山賊ダイアリー




マンガもこんな感じ。
料理して食べるところまで、すごく面白くて、本当に日本でもこんな人たちがいるんだと、がぜん野うさぎ料理の翻訳もやる気が出てきましたよー。

都会に住んでると、野生動物どころか飼育されている牛や豚さえ見る機会がなく、肉という食材に対して、感覚がかなりマヒして鈍感になりますよねー。

とは言っても、私自身は、銃で動物を撃つのは絶対無理なので、パックされた商品を買うしかないのですが、猟師さんも、畜産農家さんも、ひたすら尊敬します。


イタリアの伝統的な野うさぎ猟。
スケールが違う。
 ↓ 



撃つのも無理だし解体するのも無理。
ほんと情けない。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年10月号、野うさぎソースのパッパルデッレの解説は、近日中に発売予定の「総合解説」2011年10月号に載っています。

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狩猟肉

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今日は狩猟肉について。
野うさぎlepreは、イタリアでもっとも一般的な食用の野生動物なんだそうです。
需要に追い付かなくなって輸入もしていて、冷凍肉も流通しています。

人間は、農耕が普及するもっと前、2500万年前から狩猟肉を食べてきたわけで、当然、狩猟肉を使った伝統料理はたくさんあります。
イタリアでは、食に対する興味が深まるにつれて、狩猟肉に対する好奇心も増えているようです。
イタリア人は、一人当たり年間で平均3~4kgの狩猟肉を食べているそうです。
なんだか、すごく膨大な量に思えるんですが・・・。

イタリアでおなじみの狩猟肉は、猪、ノロジカ、鹿、野うさぎ、雉、鴨、ヤマウズラなど。

ノロジカ
 ↓
Roe Deer - Capriolo (Capreolus capreolus)


ヤマウズラ
 ↓
 
Starna



一般に野生動物の肉は家畜と比べて脂肪分が少なく、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランスがよく、多価不飽和脂肪が多く含まれている、といった特徴があります。
簡単に言うと、家畜の肉と比べてタンパク質が豊富で脂肪が少ない。
さらに、野生動物は、自然の環境から餌を得て育つので、野生動物は生息する土地の恵みと言い換えることができます。
地産地消が大原則の食材です。
そのため、イタリアだけでなくヨーロッパ諸国は、環境保護に力を入れています。
日本で狩猟肉を食べる習慣が広まったら、森を守ろうという意識も高まるはず。

家畜の肉が普及するにつれて、狩猟肉は貴族や金持ちの食べ物になりました。
さらに現在では、狩猟肉を調理する機会が減って、調理の仕方を知っている人が減り、とても特別な食べ物になりました。
何しろ、肉によっては、長時間のマリネや煮込みなど、手の込んだ調理が必要です。
経験と知識と時間と腕が要求される、難しくてやっかいな食材です。
逆に言えば、狩猟肉をマスターすれば、まさにマエストロ。


狩猟肉のプリーモ・ピアット専門の料理雑誌。
 ↓





イタリアの伝統料理の中には、かなり広まっていて、素人でも少しは調理しやすいリチェッタが普及しているものもあります。
野うさぎのソースのパッパルデッレも、多分その一つ。

パッパルデッレは、狩猟肉とは抜群に相性がいいパスタ。

猪のラグーのパパッパルデッレ
 ↓
meimanrensheng.com pappardelle sul cinghiale


鴨の胸肉のパッパルデッレ
 ↓
Duck Breast with Pappardelle Pasta


組み合わせるワインはボディーとタンニンとアルコール度のあるもの。
こういう料理の時こそ、キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ飲みたいなあ。
 ↓
mmmm chianti classico riserva




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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年10月号、野うさぎソースのパッパルデッレの解説は、「総合解説」2011年10月号に載っています。

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野うさぎのラグーのパッパルデッレ

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今日は、野うさぎのラグーのパッパルデッレの話。

Pappardelle al sugo di Lepre


『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事のリチェッタは、シンプルですがかなり本格的。

野うさぎをしとめた猟師さんが、から揚げの次に挑戦してくれれば嬉しいなー、と思って、色々なリチェッタをまとめてみました。

元々、伝統的な野うさぎ料理の場合、胴とももはセコンドピアット用で、ラグーにはそれ以外の部位を使います。
肺、心臓、レバー、血も入れます。
『Grande enciclopedia illustrata della gastronomia』によると、うさぎは前半身、肩、首、胸、頭(好みで)を、皮をむいたらすぐに3㎝程度に切って使います。

こちらのwebページでは、水、ビネガー、玉ねぎ、セロリ、にんにく、ローズマリーで一晩マリネすると書いてあります。

ラグーの作り方は基本的なラグーと一緒で、香味野菜をオリーブオイルでしんなり炒めたソッフリットに肉と内臓を入れて焼き、ボディーのある赤ワイン(キアンティかサンジョヴェーゼ)1カップをかけて塩、こしょうをして煮込みます。
その時、本式だと野うさぎの血数滴を、熱したブロードか牛乳1カップで溶いて加えます。
ただし、血は地元トスカーナでも、簡単には手に入らないようで、血を加えるリチェッタは、あまり見かけません。
血が手に入らなければ、トマトソースを加えます。
『Il grande libro della vera cucina Toscana』によると、トマトピューレを、多くて小さじ2杯加えるのだそうです。
レストランではトマトを入れすぎる傾向があるので失敗すると書いてあります。
牛乳には血や肉の風味を弱める効果があります。
30分~1時間ほど煮て肉が骨がらはがれるようになったら肉を取り出して骨から外し、内臓と一緒に刻んで鍋に戻します。
さらに30分ほど煮たら頭を取り除きます。
パスタにラグーをかけたらパルミジャーノかペコリーノを散らします。

パッパルデッレは、トスカーナの伝統的なパスタで、幅3㎝程度の幅広麺。
トスカーナでは、野うさぎのソースをかける時は、
Papardelle sulla lepreと、suという言葉を使います。
英語のonのような言葉です。
野うさぎがパッパルデッレをしょってるイメージでしょうか。
ちなみに、うさぎのソースだと、Pappardelle al coniglioです。

野うさぎではなく、うさぎの場合も同様に作りますが、血は手に入らないのでトマトピューレを加え、小麦粉大さじ1も加えて煮ます。

当然ながら昔の人は、獣の強い味に慣れていたので、トマトも牛乳も入れませんでした。

下の動画は、もっと手軽に作る現代的なリチェッタです。
血や内臓は入りません。
肉も、セコンド・ピアット用など気にせず、上等な部位を使います。






狩猟肉料理は食材の入手が大変で時間がかかるものなので、やはりレストランで高級ワインと一緒に味わいたいですねー。

そうそう、トスカーナの伝統料理には、猪のラグーのパッパルデッレというのもあります。
日本にも、新聞に猪の罠のチラシが入っている地方があるそうなので、野うさぎよりは需要がありそうですねえ。
次は猪の話です。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年10月号、野うさぎソースのパッパルデッレの解説は、「総合解説」2011年10月号に載っています。

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猪猟

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さて、今日は猪の話です。

フィレンツェのメルカート・ヌオヴォにある猪の像。
 
18世紀にここに設置されて以来、鼻をなでるとご利益があると信じられて、ピカピカ。
 ↓
Cinghiale

『Grande enciclopedia illustrata della gastronomia』によると、猪はヨーロッパ中に生息していて、イタリアではティレニア海側の地方やサルデーニャに多いそうです。
さらに、猪猟は危険が多いので。猪猟は勇者の猟、とみなされているそうです。
山賊ダイアリー』を読むと、そこらへんはよくわかります。

猪猟の様子。
ほんとスケールが大きいなあ。




イタリアの猪猟の動画は、かなりの数がupされています。
どれも猟師さんはアドレナリン出まくりで、BGMもかっこよさげなハリウッド映画みたいですが、やっぱ撃たれるシーンは見たくない。
なんまいだぶ。
フィレンツェの肉屋に並ぶ猪肉。
・・・これは見たい。
 ↓
Cinghiale

猪の伝統料理が多いのは、トスカーナ、ラツィオ、カラブリアあたり。
トスカーナ料理の猪のラグーのパッパルデッレ。
これは・・・食べたい・・・。
 ↓
meimanrensheng.com pappardelle sul cinghiale 2



おまけの動画。
道端で猪と遭遇したら。
ちっちゃくて可愛いげでも、野生動物はあなたとお友達になる気なんかさらさらありませんよー。
ましてやお菓子をあげるなんてとんでもない。
ほっときましょうねー。






次回は猪料理のリチェッタです。



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猪のラグーのパッパルデッレ

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今日は猪肉料理の話。

トスカーナ料理の本で猪料理を調べると、パパルデッレ、マレンマ風煮込み、ラツィオ風アグロドルチェ煮などがありますが、どれも若い猪肉を使います。
特にローストは若い肉でないと硬くなってしまうそうです。


猪肉。
 ↓



では、どうやって若い猪の肉を見分けるかと言うと、『il grande libro della vera cucina Toscana』には、こう書いてあります。

猪の齢は毛皮を見れば判断できる。
生後3~6か月齢のウリボウの肉はとても柔らかいのであらかじめマリネする必要がなく、豚肉と同じように調理できる。
1歳以内の若い猪は、毛皮が赤身がかった茶色。
1~2歳は黒ずんだ茶色。
2歳~6歳は完全に黒。
6歳以上は食べられない。

肉を3日も4日もマリネすると腐り始めて、結局は食べられなくなってしまう。
実際は、ワイン、香味野菜、スパイスで一晩漬ければよい。
若くない場合は、小さく切り分けて塩とビネガーで数分煮てから水気をきって、普通に調理する。

なんと、おいしい猪料理を食べようと思ったら、若いやつを狙わないといけないんですねー。
ウリボウが一番おいしいなんて・・・。

と言うわけで、くれぐれも、若い猪の肉を用意するように。

では、料理です。
まずは、プーリアのタヴェルナ・デル・ペルジーナのシェフが作る猪のラグーのパッパルデッレ。
 ↓



リチェッタは人それぞれで、かなりバリエーションがあります。
本家トスカーナ以外でも、猪肉のパスタと言えば、全国的にこれ。
そこで今回は、トスカーナ料理の権威が書いたをトスカーナ料理の本、『il grande libro della vera cucina tocana』のリチェッタをどうぞ。

猪肉のパッパルデッレPappardelle sul cinghiale
材料:6人分
マリネ液;
 赤ワイン・・500㎖
 赤ワインビネガー・・1/2カップ
 香味野菜(玉ねぎ、にんじん、セロリ、にんにく)
   ローリエ(またはローズマリー)
 塩
パッパルデッレ;
 生麺のパッパルデッレ・・500g
 若い猪肉・・500g
 ホールトマト・・400g
 
 ブロード・・少々
 オリーブオイル
 塩、こしょう
   おろしたパルミジャーノかペコリーノ(好みで)
・ワイン、ビネガー、塩少々、ローリエ数枚、小さく切った香味野菜を混ぜてマリネ液を作る。
・肉を一口大に切ってマリネ液に漬け、冷蔵庫で一晩マリネする。
・肉をマリネ液から取り出し、鍋で強火で炒めて水分を出す。出た水分は捨てる。これをもう一度繰り返す。
・同じ鍋に油1/2カップとマリネ液の香味野菜(水気をきる)を入れて炒める。しんなりしたら肉を加えて数分なじませ、マリネ液1カップをかける。
・塩、こしょうで調味し、トマトを加えて弱火にかける。水気が減ったらブロードを加えながら2時間煮る。
・パッパルデッレをアルデンテにゆでて猪のソースをたっぷりかけ、パルミジャーノを散らす。 


煮込む前に肉を焼いて水分を出すのは、くさみを出すためで、他の猪肉の煮込み料理の場合もやります。


唐辛子入りトマトソース煮込みの猪のアッラ・カッチャトーラ、別名、猪のスコッティーリア。
 ↓




どの料理も2時間は煮込むので、手間暇かかって大変だー。


おまけの動画。
トスカーナで猪猟の本場と言えばマレンマ地方。
1950年代のマレンマの猪猟。
まるで上流階級のお洒落なスポーツ。
 ↓





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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年10月号、野うさぎソースのパッパルデッレのリチェッタ説は、「総合解説」2011年10月号に載っています。

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ハロウィンのお菓子

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今日は、久しぶりにハロウィンの話です。
また季節がん無視。
でもしょうがない。
現在発売中の解説が10月号なもんで。

元ネタは、なぜかハロウィンになると必ずノリのいい記事作る『ア・ターヴォラ』です。
前回のハロウィンの記事の解説はこちら

忘れもしませんよ。
“ゾンビカクテル”に“こうもりの羽のチリソース”。
強烈でした。

今年は、ちょっとおとなしめですが、いきなり“いも虫グミマフィン”ですよ。

“魔女の指とバンパイアの骨”は、相変わらず、発想がいいですねえ。
シンプルなクッキーも、真っ赤なネイルをつければ魔女の指に見えるし、ただの骨型クッキーも、バンパイアの骨、と名付ければ、不気味さが一段とアップ。

要は、ハロウィンのおかしは発想のセンスのよさが勝負なんですね。


ハロウィンの骨型クッキー
 ↓



マシュマロのおばけ
 ↓



力作のケーキ
 ↓





いやービックリしました。
前回(2年前)は、ハロウィンのお菓子の動画なんて全然なかったのに、今は溢れてますよー。
こりゃ、イタリアでもハロウィンが定着したかな。



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関連誌;『ア・ターヴォラ』2011年10月号、“ハロウィンの愉快なお菓子”のリチェッタは、「総合解説」2011年10月号に載っています。

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一人農業とぬてら

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今日は『ガンベロ・ロッソ』の“新家庭料理”という連載記事の解説です。

これは、季節に合わせた旬の食材を使ったモダンな感覚の家庭料理、というテーマの記事ですが、この記事で毎月取り上げる食材を見ると、その時期の旬の食材がよく分ります。

ちなみに、現在発売中の10月号では、主役の食材は林で拾い集めた木の実。
私は木の実を拾った経験がないので、落ちている木の実は栗とぎんなんぐらいしか想像できないのですが、皆さんの身近には、どんな林がありますか?
記事で取り上げているのは、くるみ、松の実、ヘーゼルナッツ、ピスタチオです。

そういえば、日本の漫画家さんはほんとにすごいもので、これまでにも、リアル酪農家、リアル猟師と、いろんな仕事を自ら体験している人がいましたが、里山に移り住んで畑を耕して、一人農業を自ら体験しながらマンガを描いている人もいます。

中でも、五十嵐大介さんの作品はお勧めです。

その一つ、『リトル・フォレスト』は、田舎で畑を一人で耕しながら暮らす女性の話ですが、この女性の母親が、山道沿いのハシバミの実を摘み集めてすりつぶし、ココアパウダーと砂糖、油少々を加えて煮ながら練り上げたクリームを、母親から「ぬてら」というものだと教えられる、というシーンがあります。
このブログを読んでいる人なら、多分、それ、ヌテッラnutellaだよ~と思ってにやっとしますよねー。

nutella for breakfast


手作りヌテッラ
 ↓




マンガを見てヌテッラを作った人がいました。
こちら

でも私は何より、ヌテッラが日本でも作れるものだという発想にハッとしました。
ヘーゼルナッツを摘み集めるなんて、素敵な生活だあ。

ハシバミ
 ↓


この本には、こうしたなんでも自分で作って食べる暮らしの厳しさと楽しさが、満ち溢れています。
自分で作って食べる、自分て殺して食べる人だけが語れる世界、簡単ではないだけに、実際にやっている人は尊敬しますねー。

それで、『ガンベロ・ロッソ』の記事ですが、この記事も、自分で作って食べる人にお勧めのメニューが毎月載っています。
9月号は、森で摘んだきのこの料理、8月号は夏のアウトドア向き料理、7月号はなす、6月号はシーフードといったラインナップです。

ちなみに、10月号のリチェッタでは、ミートボールに刻んだヘーゼルナッツをまぶしています。
くるみはリコッタに混ぜてネッチという栗の粉のクレープの詰め物に。
松の実はにんにく、パン、チーズと一緒にミキサーにかけてスパゲッティのソースに。
ピスタチオはクレーム・ブリュレに。
なるほど、今時のファミリー向きのお洒落な料理ですねー。

なすに関しては、『La parmigina e la rivoluzione』という一風変わった料理書の序文を思い出しました。
著者のおばあさんは、パルミジャーナはなすが旬の8月にしか作らなかったんだそうです。
深い・・・。


暗くて見にくいですが、松ぼっくりから松の実を取り出す動画。
イタリアの田舎ではこうして松の実を取り出しているそうです。
 ↓




スローフードって、ブームになるほど簡単なものじゃないですよね。



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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年10月号、“木の実風味の新家庭料理”のリチェッタは「総合解説」2011年10月号に載っています。

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栗の道とトルゲレン

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木の実つながりで、今日はアルト・アディジェの“栗の道”の話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

アルト・アディジェのヴァッレ・イサルコ地方には、アルプスでもっとも広大な栗の森があるんだそうです。

ヴァッレ・イサルコの美味しいもの
 ↓ 




はあ、地中海から遠く離れた、穏やかなイタリアもいいもんだなあ。
雄大で牧歌的で美しい風景が広がる地方ですが、山は山ですよね。

遊びに行くのと、そこで暮らすのは多分大違い。
栗は、山のパンとも言われて、この地方では欠かせない食糧でした。

この地方には、Keschtnweg(発音はわかりませんが“栗の道”のこと)という観光コースがあります。
この地方の大部分の農場やカンティーナでは、栗の季節には、トルゲレンという、新ワインのお祭りをやります。
そこで、この季節には、山あるきをしながらトルゲレン巡りをして、新ワインと地元料理を堪能する、と言う、めちゃ楽しそうなことができます。

栗の道
 ↓





トルゲレン
 ↓








トルゲレンのシーズンは、10月半ばから、11月上旬ごろ。
料理は、焼き栗、ソーセージ、スペック、チーズ、じゃがいも、カネデルリ、ニョッキ、クラプフェンなど、素朴なものばかり。

サン・パオロのトルゲレン
 ↓



街中でもやってるんですね。

新ワインと栗は相性バッチリの組み合わせですが、旬の時期がぴったり同じだったんですね。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年10月号、“アルト・アディジェの栗の道”の解説は「総合解説」2011年10月号に載っています。

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ピザレイ・エ・ファゾー

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今日はピザレイ・エ・ファゾーの話。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。

ピザレイ・エ・ファゾーは、ピアチェンツァで一番有名なプリーモ・ピアットです。
ピアチェンツァって?

エミリア=ロマーニャ州の西の端の町です。
ポー河沿いで、ミラノとパルマの間にあります。

地元の高校生が作ったピアチェンツァの紹介動画。
ゴルゴンゾーラが名物。
 ↓




ピザレイ・エ・ファゾーは、基本はパスタ・エ・ファジョーリ。
ピザレイとは、パン粉入りの小麦粉のニョッキ。
いわゆるひっかいて成形するパスタですね。
ファゾーはファジョーリで、インゲン豆のこと。
とても質素で田舎風な一品です。
でも、焼いたパンチェッタをパラ型に巻いてどーんとトッピングすると、それなりにゴージャス。
 ↓
"Pisarei E Faso", hand-rolled gnocchetti, Romano bean purée, vegetables

上の写真は豆を一部裏漉ししているのかな。
下の写真は、もっと一般的なピザレイ・エ・ファゾー。
ほぼ同じ大きさの豆とパスタがころころしているころは、プーリアの硬質小麦粉入りのひっかくパスタ、カヴァテッリにそっくりですねー。
ちなみに、ピザレイ・エ・ファゾーはスプーンで食べる料理です。
 ↓
Pisarei e fasò


記事によると、ピアチェンツァでは、今時の若者でも、いざとなると美味しいピザレイを作ってみせるとか、母親に婚約者を認めてもらうには、ピザレイ作りでできた右手の親指のタコを見せればよいとか、かなり町の人に愛されているもよう。


ピザレイ作りの動画。
多分、地元の奥様方なんでしょう。
貫禄がありますねー。
 ↓



こちらは英語を話すお母さんたち。
右の女性は後半になると手元を見ないでカメラ目線でひょいひょい作っちゃいます。
年季入ってますね。
これを毎日やってると、タコができるんですねー。
 ↓



小麦粉とパン粉の配合は、人によって全部違う、とのことですが、
スローフード出版の『Ricette di osterie d'Italia:Cucina Regionale』によると、
ピザレイは、10人分で、小麦粉1㎏にパン粉300g、牛乳1リットル、オリーブオイル大さじ2、塩。
同じシリーズの『Pasta』では、4人分で、
小麦粉200g、パン粉200g、牛乳1カップ。
La grandecucina regionale italiana: Emilia Romagna』では、
小麦粉300g、パン粉100g、塩。

いやーほんとに見事にバラバラですわ。

缶詰の豆を使ったお手軽版のピザレイ・エ・ファゾー。
 ↓



ピアチェンツァ人が作ったヒザレイ・エ・ファゾー、食べたいわー。

おまけの動画は、ピザレイ・エ・ファゾーがチラッと映ってる店のPVでも。
おなかすくわー。
 ↓




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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2011年10月号、“ピザレイ・エ・ファゾー”のリチェッタは、「総合解説2011年10月号」に載っています。

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ズッキーニ

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今日はズッキーニの話。
最近、日本のスーパーでも美味しそうなのが山盛りになっているので、ズッキーニのスパゲッティでも作ろうかと思って、リチェッタを探してみました。


zucchine

ところが、地方料理にズッキーニのスパゲッティというのは以外とないんですねー。
ようやく1つ見つけました。

最近入荷したばかりのシチリア料理の本、『lA CUCINA SICILIANA IN 1000 RICETTE TRADIZIONALI 』にありました。
それではリチェッタをどうぞ。

ズッキーニのフリットのスパゲッティ Spaghetti con le zuchine fritte
材料:4人分
 スパゲッティ・・400g
 ズッキーニ・・2本
 EVオリーブオイル・・1カップ
  おろしたパルミジャーノ(またはペコリーノ)
 にんにく・・1かけ
 塩、こしょう
・ズッキーニは輪切りにして塩を振る。
・フライパンに油と潰したにんにくを熱し、にんにくに色がついたら取り除く。この油でズッキーニを揚げる。油を切って保温する。
・パスタをアルデンテにゆでてズッキーニの揚げ油をまぶす。こしょうを散らしてズッキーニを加える。 



 



カルロ・クラッコシェフは、『クールにしたいならエシャロットを使う』に「ズッキーニの選び方」について書いています。

それによると、

一般に、スーパーなどで売っているズッキーニはあまり質が良くないし、上質のものは値段が高いので、家庭菜園かバルコニーのプランターなどで育ててみることをお勧めする。とても美味しいズッキーニができて、きっと大満足するだろう。私も自分の菜園の素晴らしいズッキーニを使っている。中でも、トロンベッタという品種にはまっている。
 買わなければならない時は、一番最初に覚えなくてはならないのが、春と夏は指のように小型のものを選ぶこと。値段は高いが味はよい。
 膨らみ具合は鮮度のしるしなので買う時に触って確かめる。柔らかいものは古い。
 ズッキーニは捨てるところなく使う。へたに繋がる部分もよく洗えばよい。
 皮の色が濃いものは、たいていやや太いが、外側をいつもの料理に使い、白い部分はクリームや詰め物にする。

本にはズッキーニのクリームのリチッタが載っています。

イタリアの料理書には、しばしばズッキーニは小さいものを選ぶようにと書いてあるのですが、日本のスーパーではお目にかかったことがないですねー。

上がトロンベッタ、下はピーツ。
 ↓
zucchine e barbabietole


シェフとは関係ありませんが、家庭菜園のトロンベッタの動画です。
簡単に栽培できるのかと思ったら、つる棚が必要なんですねー。
 ↓









乾麺のパスタなら、カンバーニアのリチェッタを探してみるか、というわけで、カンバーニアのパスタの集大成、『マッケローニ』を見てみたら、さすがに色々ありました。


トゥベッティとズッキーニのミネストラ Tubetti alle zucchine
カゼルタ地方の春の料理
材料:4人分
 トゥベッティ・・360g
 ズッキーニ・・500g
 パルミジャーノ・・30g
   白玉ねぎ・・1個
 イタリアンパセリ
 EVオリーブオイル・・10ml
 塩、こしょう
・玉ねぎは薄切りにして油でしんなり炒める。色がつき出したら角切りにしたズッキーニを加えてよく混ぜ、塩、こしょうをして弱火で数分炒める。
・レードル一杯の湯をかけて20分煮る。
・パスタ用の湯を沸かしてズッキーニにかける。トゥベッティを加えて強火でかき混ぜながら煮る。クリーミーで水気の少ないミネストラにする。
・仕上げにイタリアンパセリのみじん切りとパルミジャーノをたっぷり散らす。


ズッキーニのリングイーネ、ネラーノ風 Linguine con le zucchine alla Nerano
アマルフィ海岸の秋の料理
材料:4人分
 リングイーネ・・360g
 ズッキーニ・・400g
 プロヴォローネ・ドルチェ・ディ・ソレント・・50g
   カチョカヴァッロ・・50g
 パルミジャーノ・・50g
 にんにく・・2かけ
 バジリコ
 EVオリーブオイル・・500ml
 塩、こしょう
・リングイーネをアルデンテにゆでる。
・ズッキーニを輪切りにし、少量の油で少しずつ揚げる。両面を色よく揚げて取り出し、ボールに入れる。塩、たっぷりのこしょう、手でちぎったバジリコで調味する。
・フライパンの余分な脂を取り除き、リングイーネ、おろしたチーズ、ズッキーニを加えて弱火でさっとマンテカーレする。
仕上げにバジリコとこしょうを散らす。 


おまけの動画はレストランのズッキーニのパスタの定番、ズッキーニとエビのペンネ。
 ↓




ズッキーニのリチェッタ、パスタ以外にも美味しそうなのがあるので、次回に続きます。



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ロングズッキーニとテネルーミのズッパ

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ズッキーニのリチェッタの続きです。
取扱い書籍を探していたら、めちゃくちゃ美味しそうなズッキーニ料理の写真がありました。

写真の素晴らしさでは文句なしに最高クラスの本、
Tradizione Gusto Passione』です。

本をお持ちの方は103ページをご覧ください。
ズッキーニのズッパです。
ほんとにきれいです。
大きな角切りにしたズッキーニがごろごろ入っている具だくさんスープ。
ズッキーニの実は冬瓜のように澄んでいて、皮の薄い空豆色からズッキーニの葉のバジリコのような濃い緑まで、様々な緑色の色彩がキラキラ輝いています。
まるで、ズッキーニの宝石箱だあ。

この料理は、シチリアならではの品種のロングズッキーニ、ククッツェの実、テネレッツェ、またはテネルーミと呼ばれるその葉と芽を使っています。
ズッキーニを余すこと来なく味わう料理なんですねー。
写真をお見せできないのが、本当に残念。

ククッツェとテネルーミ
 ↓


テネルーミ
 ↓
Tenerumi


テネルーミはその名の通り、柔らかい葉や芽を食べます。

パレルモの市場で、山盛りのテネルーミ。
 ↓




本のズッパとは違いますが、テネルーミとズッキーニのミネストラ。
ロングズッキーニの下ごしらえの仕方が分ります。
 ↓
  




実はこの本は、写真も素晴らしいですが、それを作ったシェフのことも詳しく紹介されていて、レストランガイドとしても一級品です。

この料理を作ったのは、ピアッツァ・アルメリーナの、アル・フォーゲルという人気店のアンジェロ・トレーノシェフです。
ズッキーニの他にも、シチリア特産のブロッコリーや、ネブローディの黒豚の子豚料理(ヒレ肉のピスタチオ包み)が得意なんだとか。
2011年にはタオルミーナにも店を出したそうです。

店のwebページはこちら

町と店の紹介動画。
店が出てくるのは後半。
 ↓



それではズッキーニのズッパのリチッタをどうぞ。
 

ロングズッキーニとテネルーミのズッパ  Zuppa di zucchina lunga e tenerezze
材料:6人分
 白いロングズッキーニ ・・1本(または普通のズッキーニ6本)
 じゃがいも・・6個
 玉ねぎ・・1/2個
  テネルーミ・・1束(またはズッキーニの花1束)
 トマト・・2個
 セロリ・・1本
 スライスしてトーストした硬質小麦粉のパーネ・カゼレッチョ
 ミント・・1房
 EVオリーブオイル・・60g
 塩、唐辛子
・ズッキーニは端を切り落とし、皮をナイフで削ってむいて角切りにする。
・じゃがいもは皮をむいて小角切りにする。玉ねぎはみじん切りにする。
・テネルーミは根元の大きな葉、茎、細長い筋を取り除いて粗く切る。
・トマトは皮をむいて粗く刻む。セロリは薄切り、ミントは手でちぎる。
・油を熱して玉ねぎとパンを炒める。水1リットルをかけて蓋をし、10分煮る。
・ズッキーニ、テネルーニ、唐辛子を加えて塩味を調え、蓋をして10分煮る。
・セロリ、トマト、ミントを加える。これらは歯ごたえ、彩り、香りづけのためなので煮込む必要は無ない。 




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ズッキーニの地方料理

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ズッキーニの地方料理を本の中から探してみました。
有名なズッキーニ料理が多いのは、やはりカンパーニアとシチリア。
でも、地方料理を探すときに便利な“ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズを見てみたら、色々ありました。

まずはズッキーニのイタリアンの定番、スカペーチェ。
これはカンバーニア料理。
 ↓
Zucchine a scapece (marinierte Zucchini)


ズッキーニのスカペーチェ  Zucchine a scapece
材料:4人分
 ズッキーニ ・・4本
 にんにく・・2かけ
 ミント・・1枝
  ビネガー
 EVオリーブオイル
 
 塩
・ズッキーニは薄い輪切りにし、熱したたっぷりの油で揚げる。シートに取って油を切る。
・にんにくはみじん切りにする。ミントは刻む。
・オーブン皿にズッキーニをやや重ねながらきれいに並べながらにんにく、ミント、ビネガーを散らす。
・最後に軽くビネガーをかけ、覆いをして冷蔵庫でサーブする時までマリネする。 


ズッキーニの輪切りの料理は、ごちゃっと盛らずに、なるべく整然と並べると、なにやらすごいご馳走のように見えます。
パンにのせてもOK。

次は、プーリア料理。
ズッキーニのポヴェレッタです。
スカペーチェとほとんど同じ料理なのに、名前だけポヴェレッタ(哀れ、安い、貧しい)って・・・。
なにやら可哀そうな名前。
でも、れっきとしたプーリアの人気料理で、肉や魚、ピッツァやフォカチャの付け合せに、パスタのソースにと、様々に使われています。

ズッキーニのポヴェレッタ  Zucchine alla poveretta
材料:4人分
 ズッキーニ ・・8本
 にんにく・・1かけ
 ミント・・1枝
  ビネガー
 揚げ油、塩
・ズッキーニを輪切りにして布巾の上に広げ、最低3時間天日で干す。
・これを熱したたっぷりの油で揚げ、シートに取って油を切る。
・ズッキーニを大皿に並べ、にんにくのみじん切り、ちぎったミント、塩少々、たっぷりのビネガーで調味する。 


なるほどー、カンバーニアのスカペーチェを干したズッキーニで作ると、プーリアのポヴェレッタになるのか。

次はサルデーニャ料理。
こちらも家庭料理の定番コントルノ。


ズッキーニのア・カッソーラ  Zucchine a cassola
材料:4人分
 ズッキーニ ・・800g
 玉ねぎ・・1個
 イタリアンパセリ・・1房
 バジリコ・・10枚
 ペコリーノ・サルド・ドルチェ・・300g
 EVオリーブオイル、塩
・ズッキーニを輪切りにする。
・鍋に油、ズッキーニ、薄切りにした玉ねぎ、イタリアンパセリのみじん切り、ちぎったバジリコ、塩を入れて蓋をし、時々かき混ぜながら弱火で30分蒸し煮にする。
・仕上げに小片にしたチーズを加えて混ぜ、チーズが溶けたらすぐにサーブする。 


鍋(カッソーラ)で香味野菜と一緒に蒸し煮にするものは全部こう呼ばれているようで、トマト入り、パンチェッタ入り、タイム、ローズマリー、ミント入り、チーズなしなど、バリエーションはかなり様々です。


最後はちっょと変わったところで、マルケ料理。

ズッキーニのトマトとグアンチャーレ煮  Zucchine al guanciale
材料:4人分
 ズッキーニ ・・600g
 グアンチャーレの小角切り・・80g
 完熟トマト・・4個
 ブロード・ディ・カルネ
 EVオリーブオイル
 塩、こしょう
・トマトは皮を湯むきして粗く刻む。
・ズッキーニは薄い輪切りにする。
・鍋にグアンチャーレを入れて油で炒める。ズッキーニを加えてしんなり10分炒め、軽く塩、こしょうをする。
・トマトを加えてレードル1杯のブロードをかけ、20分煮る。仕上げに塩、こしょうで調味する。 

カルボナーラのグアンチャーレが余ったら、ぜひお試しを。
パスタのソースにもなりますねー。


おまけの動画

ズッキーニ、グアンチャーレ、サフランのスパゲッティ
 ↓



ズッキーニの淡い色が、サフランの黄色に染まって食欲を刺激します。



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なすのオイル漬け

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夏野菜つながりで、今日はなすの話。

なすの家庭料理といえば、カポナータやパルミジャーナなど、たくさんあります。
で、今日はオイル漬け。
 ↓
 
Melanzane sott'olio

なすのオイル漬けをトッピングしたフリゼッレ
 ↓
friselle con melanzane sott'olio

ピクニックの夕食、なすのオイル漬け、パプリカのロースト、ゆでじゃがいも、ニシンのスモークのマリネ。
 ↓
cena "pic-nic"



ズッキーニやなすのオイル漬けは、南イタリアでは欠かせない家庭料理。
なので、どの家庭にも自慢のリチェッタがあり、その種類は膨大。

例によって、カルロ・クラツコシェフは、『クールにしたいならエシャロットを使う。』の中で、
「なすはズッキーニの花同様、私の中では太陽や夏の象徴です。
どことなくりんごも思い出させます。
どちらもドルチェにも、サラートにも使えますし。
唯一の違いは、なすは生では食べれないことですかね」
と書いています。

りんごのイタリア語、meleが、なすのmelanzaneを連想させたのでしょうか。

さらに、レッスン3でなすの使い方についても書いています。

「なすには6~7種類ほどある。
小さくて紫色のもの、皮が黒くて丸いもの、長くて軽く曲がった紫色、白いもの。
今はそれほどでもないが、昔は細いタイプはグラティナートにすることが多かった。
半分に切って実に切り込みを入れ、パン粉、チーズ、オイル、にんにくで覆っオーブンで30分ほど焼けばよい。
大きなタイプはカポナータやフンゲット(にんにく入りのソテー)にすると美味しかった。
紫色で丸いなすは薄い輪切りにしてグリルパンで焼いてからトマトの輪切り、生ハム、チーズをのせてオーブンで焼く。
小さななすは沸騰した酢水で3分ゆでて色止めしてからオイル漬けにして、冬の間これを食べた。

なすは料理のジョーカーのようなものだが、覚えておくべきルールがある。
とても大きななすは水で膨れているので、味は薄い。
この場合のみアク抜きをして余分な水分を出す。
上質で新鮮ななす(小型で種がない)ならこの作業は必要ない」

本には、なすのミント風味の丁寧なリチェッタが載っています。
それでけではなく、野菜のオイル漬けのリチェッタもありました。

ミニトマト、アスパラガ、ズッキーニ、トロペアの赤玉ねぎ、スプリングオニオン、にんじん、ブロッコリー、カリフラワー、ホワイトアスパラガス、アーテイチョークなどのオイル漬けです。

超豪華で美味しそうなのですが、今回は敢えて、家庭料理のオイル漬けにフォーカス。

ジャッロザッフェラーノのなすのオイル漬け
 ↓




それでは、これも常連、“ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの『プーリア』から、

なすのオイル漬け  Melanzane sott'olio
材料:4人分
 なす・・1kg
 ビネガー・・1リットル
 にんにく・・3かけ
   唐辛子・・1本
 EVオリーブオイル
 
 塩
・なすは輪切りにし、陶器などのボールに塩をたっぷり振りながら重ねて入れる。
・皿をかぶせて重石を載せ、最低3時間水分を出す。
・なすを絞って布巾の上に広げ、別の布巾をかぶせて押さえて完全に水分を出す。
・水1リットルとビネガーを沸騰させてなすを入れ、5分ゆでて取り出す。
・もう一度絞り、布巾で押さえて完全に乾かす。
・にんにくと唐辛子を輪切りにする。
・煮沸殺菌したガラスの保存ビンになす、にんにくと唐辛子を交互に詰めながらオイルをかける。オイルで気泡がないように完全に覆い、密閉して2週間寝かせてから食べる。肉料理の付け合わせや前菜としてサーブする。


おまけの動画。
おばあちゃんのズッキーニのオイル漬け
 ↓



種を取ってゴーヤみたいな姿になったズッキーニのオイル漬け。
一冬もちそうですねー。



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バーベキュー

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ズッキーニ、なすと続いてすっかり夏気分です。
その勢いで、今日のお題はバーベキュー。

リグーリアのとある海辺で・・・
 ↓
Barbecue



料理教室のバーベキューの授業
 ↓



やっぱりイタリアのバーベキューの王様はビステッス・アッラ・フィオレンティーナですねえ。
これをただガンガン焼くだけでなく、タリアータに仕上げれば、完璧。
ただし、厚さ4~5㎝の肉が必要。


キアニーナのタリアータ
 ↓



見てると絶望的にお腹が空きます。

イタリアでは、キッチンにこんなゴージャスなグリル版をつけちゃうことができるんですねー。
気絶しそうです。
ポレンタも美味しそー。



これで魚も焼ける・・。
 ↓



和牛もいいけど、がっつり赤身の分厚いステーキも、いいですねー。
フィオレンティーナは、なんであんなに美味しいんでしょう。
食べると、幸せな気持ちになりますよねー。
鰻もいいけど、ステーキ食べるのも夏バテ防止になるかも・・・。

そうそう、バーベキューはイタリア語で言うならグリッリアータ・ミスタ。
次回はグリッリアータの話でも。


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グリッリアータ

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今日のお題はグリッリアータ。

魚のグリッリアータ・ミスタ。
 ↓



こちらのトラットリーアの新兵器はショーウィンドーの中の豪快な串焼きグリル。
 ↓



サポーリ・イタリアーニ”シリーズに、『バーベキュー』という本があります。
その中に、グリッリアータ・ミスタのリチェッタもありました。
それによると、
タイム風味のグリッリアータ・ミスタ  Grigliata mista al sapore timo
材料:4人分
 肉;
 豚スペアリブ ・・350g
 ソーセージ・・200g
 子羊骨付きリブロース・・260g
   にんにく・・1かけ
 タイム・・3枝
 EVオリーブオイル・・大さじ4
 塩、こしょう

野菜;
 パプリカ・・1個
 ズッキーニ・・2本
 なす・・1個
 にんにく・・1かけ
 EVオリーブオイル・・大さじ3
 イタリアンパセリ・・大さじ1
 塩、こしょう
・ソーセージは縦に半分に切る。子羊肉は骨の周りの肉が焦げ付かないように削り取って骨を出す。全部の肉をにんにく、タイム、オリーブオイル、塩、こしょうでマリネする。
・パプリカは縦に切る。ズッキーニは縦に薄くスライスする。なすは皮をむいて輪切りにする。全部の野菜をにんにく、塩、こしょうで調味する。
・鋳鉄のグリルパンを強火でよく熱し、味がなじんだ野菜をのせて片面2分ずつ焼く。必要なら塩をして油をかける。
・子羊は2~3分、ソーセージは2分、スフペアリブは6~7分焼いて皿に盛り付け、野菜を添える。 


魚のグリルは、ホタテ貝とベビーズッキーニ、メカジキとボレンタ、サルデ・ア・ベッカフィーコ、タコ、スカンピ、クルマエビ、ススギ、コウイカなどが、地中海風。

野菜も、地中海野菜のオンパレード。
トマト、なす、パプリカ、チコリ、ズッキーニなどなど。

特徴的なのは、様々なチーズのグリル。

チーズのパン粉焼き Formagi impanati croccanti
材料:4人分
 皮つきチーズ(カチョカヴァッロ、スカモルツァ、プロヴォローネ) ・・400g
 硬くなったパンのクラム・・50g
 EVオリーブオイル・・大さじ3
・チーズを厚くスライスして皮を取る。
・パンをパン粉にする。
・チーズを軽くぬらしてパン粉をつける。
・チーズに油を回しかけ、グリルパンで高温で2分焼く。
・チーズが溶ける前に取り出して熱いうちにサーブする。                        

パン粉をつけても揚げずに焼くんですねー。
どんな味になるんでしょう。

この他にペコリーノ・セネージのシンプルなグリルに黒トリュフとリュフオイルを散らした一品、ヘーゼルナッツをまぶしたアジアーゴなどが美味しそうです。


パプリカ、ズッキーニ、なすのグリル
 ↓



調味は全部、塩、イタリアンパセリ、オリーブオイル。

最後はオーブンを使ったグリル野菜のサラダ。
 ↓



出来上がりは想像以上にゴージャス。



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DJドンパスタ

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8月ですねー。
前にちょっと書きましたが、私は、8月と言うと、『パルミジャーナと革命』というとても変わった本の冒頭を思い出します。
この本の著者は、ドンパスタという人物。
職業は美食家のDJでエコノミスト。
なんじゃそりゃーですよねー。
フード・サウンド・システムとかワイン・サウンド・システムとかいう著書があって、この本は3冊め。

クッキングDJだって!!
DJしながらラビオリ作ってるし~。
お客食べてるし~。
 ↓



ところが私は、こんなドンパスタ氏のことは何一つ知らず、たんなる料理エッセイだろうとしか思わずに冒頭の数行を読んでみたんです。
それはいきなりこんな風に始まりました。

“材料”
料理はポリシーの行動だ。
俺のばあちゃんのパルミジャーナがそうだった。
ばあちゃんは旬のなすが出回る8月にだけパルミジャーナを作った。
そうすれば、離乳食みたいな売れ残りの市販品を買う必要がない。
作る、加工する、売る、買う、料理する、食べる、すべての過程が選択の問題だ。
そう、テレビの騒音ではなく、音楽付きのディナーを選ぶ。
家族のコミュニケーションをまともにするなら、食事の間だけテレビのボリュームを下げればよい。
それで、出来合いの得体のしれないいソース付きの肉料理ではなく、新鮮なものを選ぶ。
悪酔いして頭痛の原因になる酸化防止剤の入っていないワインを選ぶ。
ちょっとだけ飲む時だってそうだ。
野菜は死体安置所から運ばれたみたいな冷凍品ではなく、直接農家から買う。
これはつまり、労働の対価を適切に払うことになるからね。

こんな調子で続きます。
なんじゃこりゃー。
どこが材料なんですかー。
ふざけてんのか真面目なのか、全然判断できない。
でも言ってることは説得力ある。
“材料”の次のページは“作り方”なんですが、
もちろん、作り方なんて一文字もありません。
主な内容は、2001年にドンパタスさんがとんな生活をしていたかです。



ドンパスタ氏によるこの本のPV
 ↓




コルトレーンとパスタ・アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
 ↓




こんな料理動画初めて見ました。
お洒落でアングラ好きなインテリさんに受けそうだなあ。
妄想の新しい形。
レコードジャケットのコルトレーンに料理の作り方と小難しそうな詩をささやくって、どうなのこれ。
真面目なの?ふざけてるの?



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