カルロのポレンタ
さて、前回の質問、有名なローマ料理で、プルスの末裔のようなポレンタ料理はなんでしょう。元来ポレンタとは、粉を水で煮たお粥のような食べ物のことで、とうもろこしの粉とは関係なかったということを忘れずに。セモリナ粉の料理というヒントは、ちょっと簡単すぎましたかねー。私自身、ローマのセモリナ粉の料理というと、あれしか思い浮かびませんわー。そう、あれでんがな。ニョッキ・アッラ・ロマーナ。丸く抜くのが一般的です...
View Articleイタリアの黒豚たち
まずはご挨拶から。土日のイベント、来てくださった皆様、ありがとうございました。いや~楽しかったです。く○○さんもイタリア○○さんも早○○さんも、まさかお会いできるとは思っていなかったので、大感激です。初めてお目にかかった皆様も、イタリア料理を勉強したいという熱い情熱をお持ちの方ばかりで、こりゃあ、日本のイタリア料理界の将来は明るいなあ、なんて、感無量です。そこでぽっこり湧いて出た、イタリア料理書を読...
View Articleシェフの料理教室
今日は、シェフの料理教室の話。『ガンベロ・ロッソ』によると、有名シェフの料理教室がブームなんだそうです。シェフたちのテレビの露出が増えたのと、それに刺激を受けて食の知識を求める一般の人たちが増えたのが直接の原因のよう。ただし、料理教室と言っても、お店でちゃちゃっとやるのではなく、自然に囲まれた郊外の畑付きの美しい田舎屋で、テラスでバーベキューしたり、スイートルーム付きだったりと、すごーいおもてなしぶ...
View Articleムスカリの球根
今日はイタリア便りです。それでは、segnalibroさん、お願いしまーす。去年の春、初めて八百屋さんの軒先で見たとき、これはもしかして里芋じゃないのか!! と、私をぬか喜びさせたもの。 それがこれ。 札にはLampascioniと書いてありました。 ランパショーニって何? ネットで検索すると、プーリア州周辺で食されている食用ムスカリLampascioneの球根なのだとわかりました。...
View Articleレアーレとイマーゴ
シェフの料理教室の話に戻ります。2014年版ミシュランで、2つ星から3つ星になつたレストラン、レアーレ。彼のことは以前にこのブログで紹介しています。こちら。『クチーナ・エ・ヴィーニ』誌が彼のリチェッタを紹介したのは3つ星になる2年前の2012年のことでした。その時の記事には、彼がいかにしてホテルと料理学校を経営するとになったのか、そのいきさつなどが書かれています。すべては、2007年に16世紀の修道...
View Article唐辛子好きのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
前回は、ラーメンに影響を受けたアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを作るローマの有名レストランのイタリア人シェフを紹介しましたが、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノは奥が深い!まだまだありますよ~。新しいアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ。今度は、イタリアの唐辛子の女王で、イタリア最大の唐辛子生産者で、別名ミス・チリ・ペッパーことリタ・サルヴァドーリさんの農場、ペペリータの話。リタさんは、ワインで有名...
View Articleフォカッチャ・バレーゼ
今日はバーリのフォカッチャの話。フォカッチャ・バレーゼ ↓Focaccia barese Buon Ferragosto! / ci_pollaバーリのフォカッチャって、IGPに認定されている食品なんですね。IGPとは、Identificazione Geografica...
View Articleバーリとジェノヴァのフォカッチャの店
今日は、フォカッチャ・バレーゼで有名な店の紹介。 まずは何と言とっても一番の大御所、フィオーレ。 店の4代目で、信仰心の厚さでバーリの人たちから尊敬され、フォカッチャ・バレーゼの王様と呼ばれていた...
View Articleヴィチェンツァのバカラ、カラブリアのストッコ
今年の復活祭は4月20日です。日本では、ネズミの国の影響で、イースターという名前が定着しそうですね。そこで、今日はバッカラ料理の話。なんでかというと、バッカラは四旬節、つまり復活祭前の、肉食を断つ期間の定番食材なんですねー。イタリアでもっともお馴染みのバッカラ料理って、なんだと思いますか?答えは、マンテカートかと思ったけど、ヴィチェンツァ風だって。ちょっと意外。うーんこの料理、聞いたことあるけど、姿...
View Articleラディッキオ・ディ・トレヴィーゾの発明者は
前回のブログで、バッカラのヴィチェンツァ風を取り上げました。ヴィチェンツァは、パッラーディオの街、と呼ばれて世界遺産なんですねえ。パッラーディオは天才建築家で、素晴らしい作品がたくさんありますよねー。ヴィッラ・ロトンダ。 ↓ヴィッラ・ネグリ ↓パラッツォ・キエリカーティ ↓サン・パオロ橋の上から...
View Articleパン・ディ・スパーニャとパータ・ジェノワーズ
わーん、赤い月も月食も忘れてて見れなかったー。残念。でも、その前日は満月だったとか。ということは、今は下弦の月の時期ですよね。どうも天体のことはさっぱり自信がないんですが、たぶんそうですよね。ということは、前回のお題で取り上げたラディッキオなど、家庭菜園で栽培しようと思っているなら、種蒔きの時期ですよー。ちなみに、ラディッキオは一年中いつでも種蒔きできます。さて、話は変わって、今回のお題は、スポンジ...
View Articleスポンジ生地
現在、スポンジ生地の迷宮を探索中です。パータ・ジェノワーズは、共立てスポンジ生地のフランス語で、ジェノヴァの人が作ったことにちなんでジェノワーズ生地という名前がつきました。Lejla Mancusi Sorrentino著『La Dolce...
View Articleサクリパンティーナ
そういえば、イタリアの地方料理で、ジェノワーズ生地のお菓子って、見かけないな~。サクリパンティーナはジェノヴァのケーキですが、生地はパン・ディ・スパーニャです。サクリパンティーナは、スポンジ生地とクリームを重ねる、いわゆるレイヤーケーキ。形もクリームも段数も、バリエーションは無数にあります。サクリパンティーナというインパクトのある名前には、文学的な由来があります。『カルロ・クラッコの地方料理』では、...
View Article「ペーイオ温泉」
今日はイタリア便りでーす。な、なんと、カンパリソーダの懸賞でsmart box宿泊券が当たりました!smart boxという体験型カタログギフトは、こちらでは比較的メジャーなプレゼント方法。...
View Articleガルファニャーナのファッロ
リーゾで作るからリゾットrisotto。オルゾで作ればオルゾットorzotto。では、問題です。ファッロで作ったら?答えはファッロットfarrottoだって。これは知らなかったなあ。でも、わかっちゃった。そうですよ。穀物の名前の語尾にttoをつければいいんですよー。オルゾットはよく耳にしますが、ファッロットは初めて聞いたなあ。そこで、今回のお題はファッロfarroです。ファッロの中でも大粒のものはス...
View Articleファッロ・スペッツァート
ファッロの話、続けます。まずは、例によって、カルロ・クラッコ氏がファッロについてどんなことを書いているか、見てみましょう。『カルロ・クラッコの地方料理』には、こうあります。ファッロはとても重用された穀物だ。特に南フランスではepeautreエポートルと呼ばれてリゾットにした。クラシックなイタリアのリゾットにも欠かせなかった。ファッロのリゾットはとても興味深い料理だ。ファッロの粉は生パスタにも使う。黒...
View Articleファッロの歴史
ガルファニャーナのファッロがIGP(保護指定地域表示)に認定されたのは1996年のこと。古代ローマ人の主食だった割には、日の目を浴びたのはほんの20年前なんですね。古代ローマで食べられていたということは、その伝統はラツィオ料理に取り込まれているはず。また、ガルファニャーナはトスカーナにあるので、ガルファニャーナのファッロをつかった伝統料理は、トスカーナ料理がルーツ。でも、ファッロ自体は中央イタリアの...
View Articleファッロのリチェッタ
ファッロについてやたら詳しくなったところで、リチェッタです。まず、ガルファニャーナのファッロIGPのwebページから、「夏のサラダ」。原文はこちらです。ファッロの夏のサラダ insalata d'estate材料/4人分 ガルファニャーナのファッロ・・150g 完熟トマト・・6個 黒オリーブ・・15粒 バジリコ・・10枚 にんにく・・4かけ オリーブオイル...
View Articleカレーマとアドリアーノ・オリベッティ
今日は珍しくワインの話。カレーマです。ガンベロ・ロッソの記事の解説です。カレーマは、ピエモンテ州トリノ県北部のコムーネ。ヴァッレ・ダオスタのすぐそばです。で、このコムーネの名前を取ったワインは、DOCの赤で、ぶどうはネッビオーロが最低85%。熟成期間は36か月以上で、リゼルヴァは48か月以上。ガンベロ・ロッソの記事は、いきなりオリベッティの元社長、アドリアーノ・オリヴェッティ氏の話で始まります。タイ...
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